電気マイクロメーター(読み)デンキマイクロメーター(その他表記)electrical comparator

デジタル大辞泉 「電気マイクロメーター」の意味・読み・例文・類語

でんき‐マイクロメーター【電気マイクロメーター】

コンパレーターの一。対象物の長さや厚みなどの寸法変化を、静電容量電気抵抗電磁誘導による電気量の変化に変換し、それを増幅して測定する。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「電気マイクロメーター」の意味・わかりやすい解説

電気マイクロメーター (でんきマイクロメーター)
electrical comparator

電子マイクロメーターelectric micrometerともいう。電気マイクロメーターは,接触式測定子をもつ検出器を用いて微小変位を電気的量に変換して測定する比較測長器である。電気的インピーダンスである電気抵抗,電気容量,電磁誘導などの回路要素を変位によって変化するように接続し,その回路に生ずる電流,電圧の変化を利用する。変換器として差動変圧器がもっとも広く用いられており,そのほかに,平板コンデンサー,円筒形コンデンサー,インダクタンス素子,光学格子と光電素子,磁気格子などが用いられている。変位量をメーター上に指針で表示するアナログ形と数値で表示するディジタル形とがある。ディジタル形の中にはアナログ-ディジタル変換器をもって増幅した電気的量をディジタル表示するものと,変位を格子によるエンコーダーでディジタル測定するものとがある。アナログ形電気マイクロメーターの目量は最高倍率において0.2μmないし1μmで,2~4種の倍率切換えで選択して用いる。ディジタル形電気マイクロメーターの最小表示値は0.1μmまたは1μmが多い。目量や最小表示値が0.01μmという高倍率のものも用いられている。電気マイクロメーターは感度が高いこと,感度切換えが容易であること,検出器が比較的小さいこと,構造が比較的簡単であること,遠隔指示や自動測定に容易に利用できること,データ処理に容易に利用できることなどの利点がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「電気マイクロメーター」の意味・わかりやすい解説

電気マイクロメーター【でんきマイクロメーター】

測定子の機械的変位を電気量に変換し指針の振れとして示す電気的コンパレーター。変換方式により誘導形,抵抗形,容量形などがある。測定場所と指示位置が分離でき,倍率が大などの特色があるが,電源変動精度に影響する。従来はほとんどがアナログ型であったが,最近はAD変換器を介在させたデジタル型のものが普及してきている。
→関連項目比較測長器マイクロメーター

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android