電気死刑を行う刑具としての椅子。受刑者を座らせてベルトで身体をこれに固定し、頭部にヘルメット型の電極、足の一方にすね当て型の電極を取り付け、隣室のスイッチで高圧電流を流す。執行所要時間は2分。その最初と中間と最後の数秒間の電圧は2000ボルト、その間合いは500ボルトに下げるという。体温は全体として80℃近くまで上昇し、脳の温度はほぼ水の沸点に達する。最初の電撃で瞬間的に感覚が失われるので、受刑者に苦痛はないとされている。残虐な印象を回避しうる死刑執行方法をくふうする過程で、1888年、アメリカのニューヨーク州がこれを採用し、1890年、同州のオーバーン刑務所において初めて使用された。現在、アメリカの数州がこの刑具を用いる。
[須々木主一]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…生命刑(死刑)については,刀剣,槍銃,絞縄と絞首台,磔柱,火刑柱など各国に普遍的であった。近代の死刑具としてことに名高いものに,フランスのギロチン(1981廃止),アメリカの電気いすがある。身体刑の刑具は,刀剣類のほか烙印(らくいん),入墨具など肉体をそこなわしめるものと,鞭や棍棒など打撃によって痛苦を与えるものとに分けられる。…
※「電気椅子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...