(読み)セイ

デジタル大辞泉 「静」の意味・読み・例文・類語

せい【静〔靜〕】[漢字項目]

[音]セイ(漢) ジョウ(ジャウ)(呉) [訓]しず しずか しずまる しずめる
学習漢字]4年
セイ
動きや物音がなくじっとしている。しずか。しずめる。「静穏静止静寂静粛静聴静謐せいひつ静物閑静沈静鎮静動静
心を乱さないで落ち着いている。「静養平静冷静
〈ジョウ〉じっとしている。「静脈
[名のり]きよ・ちか・つぐ・ひで・やす・やすし・よし

しず〔しづ〕【静】

[語素]名詞の上に付いて、静かな、落ち着いている、静まっているなどの意を表す。「心」

せい【静】

しずかなこと。じっとしていて動かないこと。「動中、あり」

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精選版 日本国語大辞典 「静」の意味・読み・例文・類語

せい【静】

  1. 〘 名詞 〙 しずかなこと。ひっそりとしていること。変化のないこと。
    1. [初出の実例]「人心宜静、明月不波」(出典:藤樹文集(1648頃)二・舟中見水月有感)
    2. [その他の文献]〔荘子‐漁父〕

じょうジャウ【静】

  1. 〘 名詞 〙 仏語煩悩に惑わされない静かな心の状態。
    1. [初出の実例]「上地は静(ジャウ)なり妙なり離なり」(出典:発心集(1216頃か)七)

しずしづ【静・鎮】

  1. 〘 造語要素 〙 しずかな、落ち着いている、しずまっているなどの意を表わす語。「しず心」「しず歌」「しず宮」など。

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普及版 字通 「静」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(旧字)靜
人名用漢字 16画

[字音] セイ・ジョウ(ジャウ)
[字訓] しずか・やすらか・しずめる

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
旧字は靜に作り、(青)+爭(争)。は青丹、爭は力(耒耜(らいし)の形。すき)を上下よりもつ形。争奪の爭とは同じでない。耜(すき)を清めて虫害を祓う儀礼。〔説文〕五下に「審らかにするなり」、〔伝〕に「丹審するなり」と采色を施す意とするが、耜を修祓する儀礼。これによって耕作の寧静をうることができるとされたのであろう。周初の金文〔班(はんき)〕に「東或(国)を靜(やす)んず」、後期の〔毛公鼎(もうこうてい)〕に「大いに從(みだ)れて靜(やす)らかならず」とみえ、寧静の意に用いる。本来は農耕儀礼として農器を修祓する儀礼であった。粢盛(しせい)の清らかなことを〔詩、大雅、既酔〕に、「豆(へんとう)靜嘉」といい、嘉も字形中に力(すき)の形を含み、鼓声を加え、祝して祓う農耕儀礼をいう字であった。静嘉と合わせて、粢盛の明潔の意とする。(せい)・(靖)(せい)・(せい)には通用の義がある。斉器の〔国差(こくさたん)〕に「用(もつ)て旨酒を實(みた)さん。旨(うま)からしめ靜(きよ)からしめん」とあるのは、の意である。

[訓義]
1. きよめる、きよい、すむ。
2. しずか、やすらか、つまびらか。
3. しずめる、やわらぐ、ととのう、やすむ。
4. 諍と通じ、いさめる。

[古辞書の訓]
名義抄〕靜 シヅカナリ・シヅカニ・ヤスム・アキラカ・アヂキナ・オモフ・ヤハラカナリ 〔字鏡集〕靜 アヂキナシ・ハカル・アキラカ・ヤスム・ヤハラカナリ・シヅカナリ・ハカリゴト・オモフ・アキラム

[声系]
〔説文〕十一上に靜声としてを収め、「垢(こうわい)無きなり」とする。淨(浄)も声義の近い字である。

[語系]
靜・・淨dziengは同声。淨を〔説文〕十一上に魯の北城門の池の名とするが、おそらく靜の省声にして、清浄を本義とする字であろう。

[熟語]
静遏・静安静晏・静意・静域・静一・静逸・静院静婉・静淵・静穏・静嘉・静歌静愨・静間静観・静居・静虚・静境・静君・静言・静厳・静語・静功・静好・静谷・静坐・静思・静止・静舎・静者・静修・静粛・静勝・静照静嘯・静心・静・静清・静寂静専静躁・静息・静退・静泰・静昼・静聴・静寧・静波・静漠静謐・静物静僻・静黙・静夜・静養・静慮静聆
[下接語]
安静・晏静・隠静・雲静・淵静・涵静・閑静・間静・寛静・簡静・希静・虚静・玄静・好静・至静・寂静・主静・守静・秋静・粛静・処静・慎静・綏静・正静・清静・棲静・専静・退静・泰静・湛静・澹静・昼静・澄静・沈静・鎮静・貞静・恬静・動静・寧静・平静・保静・幽静・養静・冷静・廉静・和静

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「静」の解説


しずか

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
作者
佐佐木信綱
初演
昭和8.5(東京・歌舞伎座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【静御前】より

…源義経の愛妾。1185年(文治1)義経が兄頼朝と不仲になり京より逃脱したとき,静もこれに同行。しかし翌年吉野山で義経と別れたのち捕らえられ,鎌倉に送られて尋問をうけた。…

※「静」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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