革でつくった羽織。獣毛のついたものと、なめした革を使ってつくったものとがある。前者は、陣羽織に用いた場合が多い。埼玉県川越(かわごえ)市の喜多院(きたいん)にある『職人尽絵屏風(しょくにんづくしえびょうぶ)』のなかに革師が描かれ、革羽織、革足袋(たび)などがみられる。これは室町時代末期から革羽織が着用されていた好例である。また、石川県輪島(わじま)市門前町(もんぜんまち)地区の廻船(かいせん)問屋にも、桃山時代の、ウサギが跳んでいる模様の革羽織が収蔵されている。民間で着用されるようになったのは、江戸時代中期以降で、ことに厳寒のおりに、人足出入りの多い鳶(とび)の頭(かしら)の間で用いられた。そればかりでなく、江戸では初冬から春にかけて火事が多かったので、鳶の頭たちは組の印を入れた革羽織を半纏(はんてん)がわりに着用した。また紋日などの外出の際には、表を熏韋(ふすべがわ)とし、裏は色と模様を変えたものを用いることもあった。
[遠藤 武]
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