5線譜表の左端に記され,譜表上で特定の音の位置を示す楽譜記号。現在はト音記号,ヘ音記号,ハ音記号の3種類が用いられる。(1)ト音記号は第2線上がト(g1)音であることを示し,高音部記号,バイオリン記号とも呼ばれる。(2)ヘ音記号は第4線上がヘ(f)音であることを示し,低音部記号とも呼ばれる。(3)ハ音記号は一般に3種類が用いられ,中央ハ(c1)音が第1線上にあるもの(a)をソプラノ記号,第3線上にあるもの(b)をアルト記号またはビオラ記号,第4線上にあるもの(c)をテノール記号と呼ぶ。以上の種々の音部記号は,できるだけ加線の使用を避けるため,声や楽器の音域によって使い分けられる。
執筆者:角倉 一朗
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記譜法上の記号で、音符の譜表上の位置と音の高さの関係を規定するもの。五線記譜法においてはト音記号、ヘ音記号、ハ音記号があり、譜表上で各記号の中心と一致する線が、それぞれト、ヘ、ハ音である。西洋においては、音部記号は11世紀ごろから用いられ始めたが、それは現在のヘ音記号にあたるFと、現在のハ音記号にあたるCの文字であった。15世紀に入って、ポリフォニー音楽の発展とともに楽曲に用いられる音域が拡大するにつれ、現在のト音記号にあたるG記号が用いられるようになる。18世紀に入って鍵盤(けんばん)楽曲においてF記号を左手に、G記号を右手にあてる習慣ができ、その結果、F記号=ヘ音記号は低音部記号、G記号=ト音記号は高音部記号ともよばれるようになる。ハ音記号(C記号)は、現在ではアルト記号としてビオラに、テノール記号としてチェロやテノール・トロンボーンに用いられている。
[南谷美保]
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…音符や休符はこれらの線上または線間に記されるが,5線の音域を上下に3度以上越える場合は,臨時に短い加線(かせん)が加えられる。譜表に付随する記号には,このほか音部記号,調号,拍子記号,縦線,複縦線,連結括弧(ブレース)などがある。音部記号によって特定の線の音高が定められ,自動的に他の線の相対音高と譜表全体の基本音域も確定される。…
※「音部記号」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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