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飛行艇 ひこうていseaplane; flying boat

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

飛行艇
ひこうてい
seaplane; flying boat

水上機の一種で,体型の胴体水面に浮かび,滑走して発着できる飛行機。艇体下面は,のようにキールおよびチャインと呼ばれる稜線が縦方向に走り,離水時の水切れをよくするためにステップと呼ばれる段を重心のやや後方にもつ形状になっている。プロペラやエンジンの空気取入口は水を受けないように艇体の上方高い位置に置くため,それを支える翼は高翼になっている。両翼には水面での左右の安定を得るために補助フロートを備える。飛行艇は 1930年代までは長距離の旅客輸送に多用された。陸上機では降着装置の技術が不十分で大型化できなかったためである。しかし空気抵抗が大きくて高速飛行に適さないこと,水上での取り扱いと,保守に不便が多いことなどから,大型陸上機が実現するにつれてあまり使われなくなった。 1950年代以降,新しく開発された飛行艇はほとんどないが,日本の新明和 PS-1は例外の一つである。

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デジタル大辞泉の解説

ひこう‐てい〔ヒカウ‐〕【飛行艇】

水上飛行機の一。水面に発着できるように胴体が舟形になっているもの。

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百科事典マイペディアの解説

飛行艇【ひこうてい】

水上に発着する飛行機のうち,胴体をそのまま艇体として利用する形式のもの。1912年米国のG.カーティスによって初めて作られた。着陸装置や滑走路の制約がないため,かつては大型長距離機に適した形式として広く使われた。しかし抗力の大きい胴体形状が高速に適さず,対潜哨戒(しょうかい)用,救難用,大規模な森林火災の消火など用途が限られている。
→関連項目水上機水陸両用機

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世界大百科事典 第2版の解説

ひこうてい【飛行艇 flying boat】

水上に発着する飛行機のうちで,胴体を直接水につけて浮くもの。飛行艇の胴体は艇体と呼ばれ,水密構造に作られていて,下面はモーターボートの底と似た形をしている。これで水上を滑走して離水や着水をする。その際に上がる水しぶきからエンジンや翼を保護するため,主翼を高翼式に艇体の上に取り付け,尾翼も高い位置に置き,艇体は陸上機の胴体に比べると高さが高いのが外観上の特色となっている。また水上で横に倒れるのを防ぐため,翼端近くに補助フロート(小型の舟形のうき)をつけたものが多い。

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大辞林 第三版の解説

ひこうてい【飛行艇】

胴体が船のようになっていて、水面で離着水できるようにした飛行機。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

飛行艇
ひこうてい
flying boat

水面に発着するように設備された飛行機。普通の水上機と異なり、乗員・乗客・諸装備などを収める胴体部分を舟形にしてある。広い静かな水面があれば、広大な滑走路を必要とせず発着できるので、一時期(第二次世界大戦の初期、1935年から40年ごろ)、長距離用の大型機は飛行艇に限られていた。しかし、(1)胴体が舟形なうえに、エンジンを水面から離して取り付けなければならず、そのため機体の空気抵抗が大きくなる、(2)離水するとき水の抵抗に打ち勝つために強力なエンジンを必要とすることなどで経済性が劣る、(3)水に浮くため胴体内に防水区画を設ける必要があり、そのために搭載量が少なくなる、(4)海面を利用すると海水による機体の腐食が激しく、機体の寿命が短い、(5)計器着陸などの着陸誘導施設の設置が困難で、また技術的に水面への発着の際の操縦がむずかしい、など飛行機として不利な面が多く、陸上機の性能が向上したうえ、飛行場の建設技術が発達した現在では、ごく特殊の目的(救難、哨戒(しょうかい)、レジャー)以外には使われていない。日本は飛行艇に関して世界有数の技術をもっており、大戦中は二式大艇、戦後はPS-1などの高性能の飛行艇を生産してきた。現在海上自衛隊ではUS-1A、US-2を救難機として使用している。[落合一夫]

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