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食品中の放射性物質の新たな基準値 しょくひんちゅうのほうしゃせいぶっしつのあらたなきじゅんち

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知恵蔵2015の解説

食品中の放射性物質の新たな基準値

厚生労働省が、2011年3月の福島第一原子力発電所の事故後に設定した食品中の放射性物質暫定規制値に代えて、長期的な観点から食品の安全・安心を確保するために設定した放射性セシウムの基準値。12年4月1日から施行された。
新たな基準値は、暫定規制値の4分の1から20分の1と厳しく設定されている。食品を「飲料水」「牛乳」「一般食品」「乳児用食品」に4区分し、水道水や飲用茶などの「飲料水」が1キログラム当たり10ベクレル、牛乳や加工乳などの「牛乳」と粉ミルクやベビーフードなどの「乳幼児食品」が同50ベクレル、それ以外の「一般食品」が同100ベクレル。食品からの被曝(ひばく)線量の限度を、従来の年間5ミリシーベルトから国際基準の同1ミリシーベルトに引き下げ、食品の摂取による人体への影響が限度内に収まるように設定した。また、放射性ストロンチウムプルトニウムなどは、測定に時間がかかるため個別の基準値としては設定されていないが、セシウムの基準値設定に当たり影響が考慮されている。新基準値への移行以前に製造されて暫定規制値をクリアして流通している加工食品やコメなどについては、一定の経過措置が取られている。
新基準値については、「必要以上に厳しく被災地の復興を妨げる」という専門家の意見もある一方で、基準値以下でも流通・消費を拒む行動も見られる。検査態勢のあり方、基準の設定・運用に当たっての住民や農林漁業者ら幅広い観点からの関係者の参加など、食品に含まれる放射性物質のリスクへの対応については、多くの課題が指摘されている。

(原田英美  ライター / 2012年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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