六訂版 家庭医学大全科 「首・肩が痛い」の解説
首・肩が痛い
くび・かたが痛い
Neck and shoulder pain
(お年寄りの病気)
どのような状態か
「首・肩が痛む」とは、首や肩の関節が痛む場合と、筋が痛む場合の2つがあります。該当する関節には、あごと首の関節があります。筋では、口を閉じたり
痛みが起こる原因には、関節(かんせつ)リウマチ、顎関節症(がくかんせつしょう)、外傷などがあります。
必要な検査と疑われる病気
顎関節や
関節リウマチの疑いがあれば
すでに関節リウマチと診断されている場合は、筋痛症、関節痛の部位や程度を明確にするための検査と、骨先端や頸椎の状態を調べるためにX線検査を行います。
近年、メトトレキサート(リウマトレックス)などによる関節リウマチの治療が進み、本疾患に伴う痛みはコントロールされることが多くなっています。
②顎関節症
症状には、顎関節とその周囲の筋や筋膜に生じる痛み、あごを動かした時のクリック音(関節内の関節円板があごを動かした時に発するパチンという音)などがあります。歯科で噛み合わせの検査、必要に応じてX線やMRI検査を行います。
③外傷
硬いものを強く噛んだ時、噛み合わせの高さが低い、あるいは急に大きく口を開くことにより、痛みを伴う
受診について
首・肩だけに痛みがあれば整形外科、顎関節に痛みが集中していれば歯科、指のこわばりがあれば内科などを通じて、膠原病科を受診することをすすめます。
山口 雅庸
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報