香典(読み)こうでん

葬儀辞典「香典」の解説

香典

死者に供える香の代わりの金銭という意味。故人に供物を捧げる、喪家の金銭的負担を軽くするという意味がこめられています。表書きは、葬儀の形式によって異なります。薄墨で書きます。(筆ペンの薄墨タイプも販売されています。)祝儀ではないので、新札は入れません。新札を使用する場合は、折り目を入れたものを使用してください。●表書き氏名を書きます。連名の場合は、目上の人の氏名を右端より順に記します。会社・団体の場合は、会社名・氏名を記します。また、代表の役職・氏名や部書名を記したり『○○課  有志』とする場合もあります。仕事関係の場合は、名刺を添えることもあります。■仏式/「御香典」あるいは「御香料」とします。黒白・銀白・銀一色の水引を用います。■神道/「御玉串料」「御榊料」あるいは「御神饌料」とします。黒白・黒銀・銀一色・白一色の水引を用います。■キリスト教/「御ミサ料」(カトリック)、「御花料」(プロテスタント)とします。不祝儀袋を使用する場合は、黒白・銀白・銀一色の水引を用います。●裏書き左下に金額を漢字で記します。住所・氏名を併記する場合もあります。内袋のある香典袋の場合は、表に金額、裏に住所・氏名を記します。●金額金額は、故人との関係・弔問する人の社会的地位などによって異なります。下記は、一つの目安としてお考えください。■祖父母/10,000〜20,000円■両親/100,000円■兄弟・姉妹/30,000〜50,000円■おじ・おば/10,000円■その他親類/10,000円■上司/5,000〜10,000円■同僚/5,000円■部下/5,000円■取引先関係/10,000円■友人・知人/5,000〜10,000円■隣近所/5,000円●供え方持参するときは香典袋のままではなく、弔辞用のふくさや小ふろしきなどに包んでいきましょう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)「香典」の解説

香典
こうでん

人の死に際して葬家に贈る金品香奠とも書く。普通、出棺日か通夜のときに持参する。近親者の贈るものと、近隣組内の人々の贈るものとがある。現在は香典袋に紙幣を入れて渡すのが一般であるが、金銭のほかに米、強飯(こわめし)、野菜、ろうそく、線香などを添える所もあり、金銭経済の発達する前は、飲食物だけを贈るものであった。近親の香典は死者とともに共同飲食するのが元の趣旨で、葬式が華やかなものになるにつれて、葬費を分担する意味をもつようになった。近隣組内からの香典は村落共同体の相互扶助的なもので、主として自分の食べ料を持ち寄った。香典はすべて香典帳に記録しておき、相互に義理を欠かさないようにする。香典の受付係を帳場という。本来、香典はお返しを期待しないものであったが、告別式に参列するだけで帰る人もあり、他の贈答の影響を受けて香典返しをする人が多くなった。四十九日前後に半額相当の物品を送るとか、葬儀の日に手渡す略式ですませたり、施設などに寄付する例もある。

[井之口章次]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「香典」の解説

香典
こうでん

死者にゆかりのある者が,葬儀のときに持寄る金品。これは近親者が葬儀の費用を分担するためのもの,近隣縁者の相互扶助的な性格をもつもの,につく者が自分の食い料を持寄るもの,の3つに分けることができる。親が死ぬと,子供たちが一俵香典といって,米を1俵ずつかついで来るなどは,葬費を分担する趣旨のものである。近隣縁者の香典は相互扶助的なもので,葬儀の手伝いをするほかに若干の金品を持寄る。また葬儀に参じる人数によって持寄る米の量に差を設けている例があるのは,喪家の負担を軽減するため,自分の食い料を持寄るからである。香典は,金銭経済の発達しない時代にはすべて米麦や野菜類を使っていたが,次第に金銭に統一された。

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とっさの日本語便利帳「香典」の解説

香典

香の代わりに仏前に供える金銭。本来は弔問者が香を持参するのだが、先方が用意してくれた香を使わせていただくので、その香料であると考えられた。それゆえ、沖縄の一部では、現在でも香典を供えてはいけないとされている。香典袋の表書きは、四十九日以前は「御霊前」、それ以後は「御仏前」とするとされているが、「霊」というのは仏教では祟りをする霊魂のことであって、よくない呼び方である。よって、仏式ではすべて「御仏前」にしたほうがよい。神式は「御神前」、キリスト教式では「御花料」とする。

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