骨董集(読み)コットウシュウ

デジタル大辞泉 「骨董集」の意味・読み・例文・類語

こっとうしゅう〔コツトウシフ〕【骨董集】

江戸後期の随筆。3巻4冊。山東京伝著。文化10年(1813)成立、同14~15年刊。近世風俗などについて、その起源変遷解説、図示したもの。

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精選版 日本国語大辞典 「骨董集」の意味・読み・例文・類語

こっとうしゅう‥シフ【骨董集】

  1. 江戸後期の随筆。三巻四冊。岩瀬醒(山東京伝)著。喜多武清歌川豊広、岩瀬京山等画。文化一〇年(一八一三)成立。上・中巻は同一一年、下巻は同一二年の刊。近世の風俗、文物などについて、その起源、変遷を解説、図示する。

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改訂新版 世界大百科事典 「骨董集」の意味・わかりやすい解説

骨董集 (こっとうしゅう)

江戸後期の随筆。岩瀬醒(さむる)(山東京伝)著,自画。大田南畝序。3巻4冊。1814-15年(文化11-12)刊。著者の《近世奇跡考》(1804)につぐ考証随筆。上巻巻頭に〈好事の心得〉を掲げて〈竹馬〉以下26条,中巻に〈名古屋帯〉以下25条,下巻(前)に〈毬杖(ぎつちよう)〉以下25条,下巻(後)に〈勧進比丘尼絵解〉以下34条を収める。すべて近世初期以降の民間の衣装,風俗,調度,行事,習俗,食物,遊戯,演劇など広範囲にわたって,古書古画などを引用して周到綿密に考証する。とくに引書には厳密で孫引きを避ける。京伝は寛政改革における筆禍の後,読本,合巻などに著作の新たな道を求めたが,自身として満足できず,こういう風俗考証にむしろ文筆に従う者としての生きがいを求めようとしたその成果が示されている。ただしその死没によって上編のみで完結せず,当時京伝は《骨董集》と討死したとも評せられた。《近世奇跡考》とともに価値ある文献とされている。《日本随筆大成》所収。
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百科事典マイペディア 「骨董集」の意味・わかりやすい解説

骨董集【こっとうしゅう】

岩瀬醒(さむる)(山東京伝)の随筆。大田南畝序。3巻4冊,1814年―1815年刊。江戸の風俗,服飾器具,飲食等の起源・沿革を考証したもので,図解が多い。寛政改革の出版取締令による手鎖(てじょう)50日の刑に処せられて以後,京伝は洒落本の筆を断ち,考証随筆に精力を注いだ。《近世奇跡考》についでこの《骨董集》にその成果が収められているが,死没により上編のみで未完。

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