江戸後期の随筆。岩瀬醒(さむる)(山東京伝)著,自画。大田南畝序。3巻4冊。1814-15年(文化11-12)刊。著者の《近世奇跡考》(1804)につぐ考証随筆。上巻巻頭に〈好事の心得〉を掲げて〈竹馬〉以下26条,中巻に〈名古屋帯〉以下25条,下巻(前)に〈毬杖(ぎつちよう)〉以下25条,下巻(後)に〈勧進比丘尼絵解〉以下34条を収める。すべて近世初期以降の民間の衣装,風俗,調度,行事,習俗,食物,遊戯,演劇など広範囲にわたって,古書古画などを引用して周到綿密に考証する。とくに引書には厳密で孫引きを避ける。京伝は寛政改革における筆禍の後,読本,合巻などに著作の新たな道を求めたが,自身として満足できず,こういう風俗考証にむしろ文筆に従う者としての生きがいを求めようとしたその成果が示されている。ただしその死没によって上編のみで完結せず,当時京伝は《骨董集》と討死したとも評せられた。《近世奇跡考》とともに価値ある文献とされている。《日本随筆大成》所収。
執筆者:水野 稔
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