高峰筑風(読み)タカミネ チクフウ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「高峰筑風」の解説

高峰 筑風
タカミネ チクフウ


職業
琵琶奏者

肩書
高峰流琵琶宗家

本名
鈴木 徹郎

生年月日
明治12年 5月2日

出生地
福岡県 福岡市博多

学歴
福岡県立工業学校卒

経歴
福岡藩士の子。幼少より吉田竹子に琵琶を学ぶ。明治40年上京、神田立花亭などで好評を博す。大正元年筑前琵琶から分かれて新しく“高峰琵琶”を創始、一世を風靡する。御前演奏も数回に及び、新絃音楽学校長、天声会長、東京中央放送局名誉技芸員等も務めた。また俳優の沢村訥子と提携し“琵琶劇”を創始、「児島高徳」「高山彦九郎」などに出演。作曲の代表作に「小楠公」「日蓮上人」「宇治川」など。

没年月日
昭和11年 4月21日 (1936年)

家族
長女=高峰 三枝子(女優)

伝記
人生は花いろ女いろ―わたしの銀幕女優50年 高峰 三枝子 著(発行元 主婦と生活社 ’86発行)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

20世紀日本人名事典 「高峰筑風」の解説

高峰 筑風
タカミネ チクフウ

明治・大正期の琵琶奏者 高峰流琵琶宗家。



生年
明治12(1879)年5月2日

没年
昭和11(1936)年4月21日

出生地
福岡県博多(現・福岡市博多区)

本名
鈴木 徹郎

学歴〔年〕
福岡県立工業学校卒

経歴
福岡藩士の子。幼少より吉田竹子に琵琶を学ぶ。明治40年上京、神田立花亭などで好評を博す。大正元年筑前琵琶から分かれて新しく“高峰琵琶”を創始、一世を風靡する。御前演奏も数回に及び、新絃音楽学校長、天声会長、東京中央放送局名誉技芸員等も務めた。また俳優の沢村訥子と提携し“琵琶劇”を創始、「児島高徳」「高山彦九郎」などに出演。作曲の代表作に「小楠公」「日蓮上人」「宇治川」など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「高峰筑風」の意味・わかりやすい解説

高峰筑風 (たかみねちくふう)
生没年:1879-1936(明治12-昭和11)

筑前琵琶から派生した高峰琵琶の創始者で宗家。本名鈴木徹郎。博多生れ。筑前琵琶創始者の一人である吉田竹子の下で年少時に学んだ。日露戦争に出征して,陣中で琵琶演奏により戦友を慰めたという。1907年京都に出て琵琶専門家として歩みはじめ,12年には高峰琵琶という呼称のもとで筑前琵琶から独立した。華麗な様式の作品と演奏で人気を得,晩年は東京で教授につとめた。代表作に《小楠公(しようなんこう)》《日蓮上人》がある。惜しくも実子,門弟とも継承せず,一代で途絶えた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「高峰筑風」の意味・わかりやすい解説

高峰筑風
たかみねちくふう
(1879―1936)

筑前琵琶(ちくぜんびわ)の演奏家。博多(はかた)生まれ。本名鈴木徹郎。琵琶は青年時代に吉田竹子に学んだ。福岡県立工業学校卒業後、日露戦争では歩兵となり、陣中で琵琶を奏したこともある。全国を巡って多くの門弟を教え、晩年は東京で活躍した。1912年(大正1)「高峰琵琶」という新派を開き、大いに流行したが、筑風が脳出血のため57歳で急逝すると、後継者がなく衰えた。作品に『小楠公(しょうなんこう)』『日蓮上人(にちれんしょうにん)』があり、名曲とされる。女優高峰三枝子(みえこ)(1918―90)はその長女である。

[シルヴァン・ギニアール]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「高峰筑風」の解説

高峰筑風 たかみね-ちくふう

1879-1936 明治-昭和時代前期の琵琶(びわ)演奏家。
明治12年5月2日生まれ。高峰三枝子の父。吉田竹子に筑前(ちくぜん)琵琶をまなび,大正元年に京都で高峰流琵琶を創始した。作曲に「小楠公」「日蓮上人」など。昭和11年4月21日死去。58歳。福岡県出身。福岡工業卒。本名は鈴木徹郎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「高峰筑風」の解説

高峰 筑風 (たかみね ちくふう)

生年月日:1879年5月2日
明治時代;大正時代の筑前琵琶演奏家。筑前琵琶高峰流創始者
1936年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の高峰筑風の言及

【琵琶】より

…(4)筑前琵琶 琵琶歌のもう一つの系統筑前琵琶はもと筑前盲僧の橘旭翁らにより薩摩琵琶や三味線音楽にならって明治期に確立され,女性的な優雅さをたたえた音楽として全国的に流行した。とくに石村涼月高峰筑風らの独特の味わいが人気を呼んだ。 以上の琵琶歌はおよそ歴史的題材による語り物的要素も強く,歌謡的側面とつりあって邦楽の中で特異な位置を占めている。…

※「高峰筑風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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