高椅神社(読み)たかはしじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「高椅神社」の意味・読み・例文・類語

たかはし‐じんじゃ【高椅神社】

  1. 栃木県小山市高椅にある神社。旧県社。祭神は磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)ほか六柱。景行天皇の東国巡狩に従い内膳司の長となった高橋氏祖神をまつり、高橋明神ともいった。伝承により氏子は鯉を食べず鯉の絵を奉納する風習がある。俗称、鯉の明神様。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「高椅神社」の解説

高椅神社
たかはしじんじや

[現在地名]小山市高椅

旧日光東街道沿いにあり、中世近世には高椅明神・高椅大明神などとよばれ、高橋たかはし神社とも記される。旧県社。祭神は磐鹿六雁尊・木花咲耶姫命・高命・国常立尊・経津主命・豊受比売命。境内社は霊島神社・水神社など一三社。「延喜式」神名帳の下総国結城郡「高椅タカハシ神社」に比定される。景行天皇四一年に日本武尊により勧請されたとも伝えるが創建時期は不明。本来の主祭神もはっきりせず、あるいは水・川に関係する神とも推定される。年未詳の略由来記(持田利雄文書)では国常立尊・天鏡尊・天万尊を祀るとあり、承応元年(一六五二)の神社旧記(同文書)では「日本一社禁鯉宮」の称号を与えられており、井戸水の使用が禁忌とされたが氏子の生活に差支えるのでこれを許可し、代りに水神罔象女神を祀ることとしたとある。「禁鯉宮」の由来は長元二年(一〇二九)井戸を掘ると大きな鯉が出てきたので天皇に献上したところ池に鯉を放ち、以後鯉を食するのを禁ずる旨の勅命があったという。現在の主祭神のうち磐鹿六雁尊は旧記にみえない。同尊は宮中内膳司高橋氏の氏神で、当社は天武天皇元年(六七二)勧進されたとも伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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