高橋栄清(読み)たかはしえいせい

改訂新版 世界大百科事典 「高橋栄清」の意味・わかりやすい解説

高橋栄清 (たかはしえいせい)

山田流箏曲家。(1)初世(1868-1939・明治1-昭和14) 本名源太郎。4歳で失明後,7歳で長唄修業。18歳から2世山多喜松調(のちに櫛田栄清改名)に入門。翌年栄松を名のるが,清章を経て,師の没後栄清を襲名。1917年初世萩岡松韻,越野栄松らと箏曲楽成会を結成し,山田流箏曲の発展に尽くす。23年山田流箏曲協会設立とともに副会長就任,37年に一門の松調会を結成。すぐれた演奏家であった。(2)2世(1904-89・明治37-平成1) 初世の長女。本名松子。父に箏曲を,稀音家浄観に長唄三味線を師事。1939年2世を襲名し,松調会を継ぐ。山田流女流の代表的演奏家。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の高橋栄清の言及

【竹生島】より

…当初は5世山彦河良作曲の河東節と掛合で作られたが,その河東節のほうは絶え,山田検校門下きた女作曲といわれる箏歌と掛合で行われる。山田流箏曲としても,一中節掛合物として演奏されるが,その場合,一中節の部分を,必ずしも一中節の演奏者が分担するとは限らず,初世高橋栄清が箏の手を付けたものに基づいて,山田流の演奏家が分担するのが普通。能に基づき,部分的に詞章を補ったり省略したりしてある。…

【山勢派】より

…門下に,山喜田(山千代)翠風一検校,山谷清風一検校などがあり,その他本来は山木派の山多喜(山田喜・山滝)栄松一検校(後名松調)も山勢に師事したといわれる。その門から高橋栄清の師の櫛田栄清が出た。 2世山勢(1812‐68∥文化9‐明治1)は,糸魚川の杉本茂右衛門の長男。…

※「高橋栄清」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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