高炉セメント(読み)こうろせめんと(英語表記)Portland blast-furnace cement

日本大百科全書(ニッポニカ) 「高炉セメント」の意味・わかりやすい解説

高炉セメント
こうろせめんと
Portland blast-furnace cement

普通ポルトランドセメント高炉スラグslag(鉱滓(こうさい))粉末混合してつくられる混合セメント。高炉スラグを5~30%混合したA種、30~60%混合したB種、60~70%混合したC種の3種類がある。一般的にはB種高炉セメントが用いられるが、大きな断面の構造物にはC種高炉セメントの用いられる場合が多くなっている。高炉セメントの特長は、初期の強さは小さいが長期の強さが大きいこと、化学抵抗性および耐久性に優れていること、水和時の発熱が小さく収縮も小さいことなどである。

[西岡思郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高炉セメント」の意味・わかりやすい解説

高炉セメント
こうろセメント
slag cement

高炉で銑鉄を製造する際に得られる副産物のスラグに,ポルトランドセメント石膏を加え,混合粉砕してつくった代表的な混合セメント。高炉スラグの混入量によって程度の差はあるが,普通ポルトランドセメントに比べて,(1) 硬化過程で発する熱 (水和熱) が低い,(2) 耐久性が高い,(3) 化学抵抗性が大きい,(4) 透水が少い,などの特徴がある。ダムなどのマスコンクリート工事,護岸排水溝トンネル,地下鉄工事などに使用される。

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