(読み)フナ

精選版 日本国語大辞典 「鮒」の意味・読み・例文・類語

ふな【鮒】

  1. 〘 名詞 〙 コイ目コイ科の淡水魚。全長は普通一五センチメートル内外であるが、まれに四〇センチメートルに達するものもある。形態はコイに似ているが口ひげがなく、体幅が狭いので区別できる。背部は黒灰色で、腹部は銀白色または金色。アジア大陸に広く分布するが、日本ではキンブナ、ギンブナ、ナガブナ、ニゴロブナ、オオキンブナ、ゲンゴロウブナの二種五亜種に分けられる。ヨーロッパには近縁別種、ヨーロッパブナを産する。河川・湖沼にすむ代表的な淡水魚で、四季を通じて釣りの対象とされる。食用とし、特に冬季に美味。飼育品種にキンギョがある。ほんぶな。
    1. [初出の実例]「北に沼尾の池あり。〈略〉鮒・鯉、多に住めり」(出典:常陸風土記(717‐724頃)香島)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「鮒」の読み・字形・画数・意味


16画

[字音]
[字訓] ふな

[説文解字]

[字形] 形声
声符は付(ふ)。〔説文十一下に「鮒魚なり」(段注本)とあり、ふなをいう。(せき)もまた、ふなをいう。〔本草綱目三、魚〕の条に、李時珍の説として、「陸佃のを按ずるに云ふ、行(群れをなしてゆく)して、相ひ(つ)くを以て、故に之れをと謂ふ。相ひ付くを以て、故に之れを鮒と謂ふ」とみえる。

[訓義]
1. ふな。
2. がま。

[熟語]
鮒魚
[下接語]
涸鮒・井鮒・鮮鮒・轍鮒

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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