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麻薬条約 まやくじょうやく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

麻薬条約
まやくじょうやく

麻薬取締りに関する国際条約。国際的な麻薬取締りの動きは,古くは 1909年の上海会議の国際アヘン会議決議,12年の国際あへん条約などがあげられるが,この麻薬条約は 61年に開催された国連会議で,それまでの8条約を統一して採択されたもの。正式には「1961年の麻薬に関する単一条約」といわれる。この条約の履行機関として国際麻薬統制委員会が設けられた。またその後,この条約で規制の対象にならなかった物質の出現により,国連会議は 71年に「向精神剤に関する条約」を採択し,同年3月には,国連により「国連麻薬統制基金」が設置された。しかしその後も麻薬取引は国際シンジケートにより一層拡大してきたことから,88年により効果的な新条約「麻薬および向精神薬の不正取引の防止に関する国連条約」が採択された。これは薬物不正取引の処罰,不正取引によって得た財産の没収,国外犯の引渡し,薬物国際運搬の監視などを定めたもので,同時に 91年からの 10年間を「麻薬乱用根絶の 10年」と宣言している。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

麻薬条約
まやくじょうやく
conventions on narcotic drugs

従来は1961年の麻薬単一条約(64年発効、同年わが国批准)および72年の同条約改正議定書(75年発効、73年わが国批准)があった。1912年条約以来の国際協力の経験に照らし、(1)麻薬の医学・学術目的に限定した利用、(2)各国の麻薬輸入見積り量の審査と監視、(3)輸入超過国の公表と他国への通報によって麻薬取引を国際的に規制するとともに、(4)犯罪人の引き渡し制度と国外犯への刑事管轄権拡大により、不正取引の防止対策を進めてきた。改正議定書による向精神剤の追加および1971年の国連麻薬統制計画の開始(麻薬患者の治療、青少年教育、途上国援助を含む)により統制の効果はいっそう強まった。国連麻薬委員会と国際麻薬統制委員会が中心機関としてそれぞれ政策決定と監視にあたるほか、他の国際機関(WHO、FAO、国際刑事警察機構)も協力体制をとることとした。さらに88年の麻薬・向精神薬国連条約(92年わが国批准)は、不正取引に関する各国の刑事管轄権を強化した。22の規制薬物の生産、製造、販売、輸送、所持について国内法上の犯罪とし相応した刑罰を科すること、自国の領域・船舶・航空機内で行われた犯罪や外国人の国外犯について裁判権利を設定したり、犯罪人の引渡しや監視付移転に関する司法協力のための国内措置をとることなどを定めた。[山本草二]

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