緑色植物がクロロフィルを形成しないために黄色あるいは黄白色になることをいう。ごく普通にみられるのは、種子を暗所で発芽させた場合におこる「もやし」の黄化で、これはクロロフィルが形成されないためにカロチノイドの黄色がみられるためである。このような黄化した植物は、細胞壁のセルロースの形成が不十分なため、組織は柔らかく、伸長が著しい。細胞は細胞間隙(かんげき)が大きく、細胞構造も未分化の状態になっている。黄化はこのほか、正常な植物でも、クロロフィルの構成元素であるマグネシウムや、クロロフィル合成に必要な鉄、マンガンの欠乏によってもおこり、カロチノイドも形成されないと白化(はくか)する。ウイルスの感染によって黄化がおこる場合は葉緑体の発達が悪くなり、クロロフィルが形成されなくなるためである。この黄化が葉の一部でおこると斑入り(ふいり)葉となる。
[吉田精一]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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