鼠黐(読み)ネズミモチ

デジタル大辞泉 「鼠黐」の意味・読み・例文・類語

ねずみ‐もち【××黐】

モクセイ科の常緑低木。暖地自生。葉は楕円形でつやがあり、モチノキに似る。夏、白色小花円錐状に密につけ、果実は楕円形で黒紫色に熟し、ネズミふんに似る。生垣に使われ、剪定せんていに強い。たまつばき。ひめつばき。ねずもち。 花=夏 実=冬》

ねず‐もち【××黐】

ねずみもち

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精選版 日本国語大辞典 「鼠黐」の意味・読み・例文・類語

ねずみ‐もち【鼠黐】

  1. 〘 名詞 〙 モクセイ科の常緑低木。本州の関東以西、四国、九州、沖縄の暖地に生え、庭木や生垣ともされる。高さ三~六メートル。葉は対生し、有柄で楕円形革質で光沢があり、長さ三~六センチメートル。初夏、枝先に花枝を出し先が四裂した白い小さな漏斗状花を円錐(えんすい)状につける。果実は長さ約一センチメートルの楕円形で黒く熟す。果実を滋養強壮薬に用いる。果実が鼠の糞(ふん)に、また葉がモチノキに似ているところからの名。漢名に当てる「女貞」は、正しくは中国産のトウネズミモチの名。たまつばき。てらつばき。ねずもち。ねずみもちのき。ねずもちのき。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「なみださへしぐれにそへてふるさとはもみぢのいろもこさぞまされる とかきてねずみもちにつけてやりける」(出典:伊勢集(11C後))

ねず‐もち【鼠黐】

  1. 〘 名詞 〙ねずみもち(鼠黐)
    1. [初出の実例]「ねずもちの紅葉につけてぞやりける」(出典:類従本伊勢集(11C後))

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