ろうそく用の携行灯火具。鼠灯台(ねずみとうだい)などとともに江戸時代に発明された。長さ30cm前後,直径12~13cm,竹箍(たけたが)あるいは鉄箍(かなたが)をはめて桶状に作り,底部外側に取っ手をつけ,内部には組み合わされた2個の鉄輪(かなわ)を装置して,どんなに振りまわしてもこれが自由に回転して,鉄輪に立てられたろうそくがつねに垂直の位置を保ち,火が消えないような機構をもっている。現在の懐中電灯のように,使用者のほうは見えないで,その思う方向のみを照射することができる。目明しなどが夜間の捜索に使用したが,赤穂浪士も吉良邸討入りのときにこれを持参したといい伝えられている。明治時代にはいってからもブリキ製のものなどが一部で使用されていた。
執筆者:宮本 馨太郎
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