龕灯(読み)ガンドウ

デジタル大辞泉 「龕灯」の意味・読み・例文・類語

がん‐どう【×龕灯】

《「がんとう」とも》
仏壇のともし火。灯明とうみょう
強盗提灯がんどうぢょうちん」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「龕灯」の意味・読み・例文・類語

がん‐とう【龕灯】

  1. 〘 名詞 〙 仏壇のともしび
    1. [初出の実例]「坐覚迷塗遠、龕灯照客心」(出典:柳湾漁唱‐一集(1821)晩上大隆寺)

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改訂新版 世界大百科事典 「龕灯」の意味・わかりやすい解説

龕灯 (がんどう)

ろうそく用の携行灯火具。鼠灯台(ねずみとうだい)などとともに江戸時代に発明された。長さ30cm前後,直径12~13cm,竹箍(たけたが)あるいは鉄箍(かなたが)をはめて桶状に作り,底部外側に取っ手をつけ,内部には組み合わされた2個の鉄輪(かなわ)を装置して,どんなに振りまわしてもこれが自由に回転して,鉄輪に立てられたろうそくがつねに垂直の位置を保ち,火が消えないような機構をもっている。現在の懐中電灯のように,使用者のほうは見えないで,その思う方向のみを照射することができる。目明しなどが夜間捜索に使用したが,赤穂浪士も吉良邸討入りのときにこれを持参したといい伝えられている。明治時代にはいってからもブリキ製のものなどが一部で使用されていた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「龕灯」の意味・わかりやすい解説

龕灯
がんどう

強盗(がんどう)とも書く。強盗提灯(ちょうちん)の略。江戸時代に発明された携帯用の灯火具の一つで、桶(おけ)状の胴の中に二重の輪でできた自在に回転するろうそく立てがつけられたのが新しいくふうである。胴の底部に把(と)っ手がつき、これを持ってどのような方向に向けても、その新しいろうそく立てのくふうにより、ろうそくはつねに垂直の状態を保ち、光は一方向だけを照らすことができた。強盗が用いたとも、目明しなどが強盗の捜索に使用したともいう。明治時代になってからは銅製やブリキ製のものも現れた。

[神野善治]


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百科事典マイペディア 「龕灯」の意味・わかりやすい解説

龕灯【がんどう】

江戸時代の携行用灯火具。桶状の筒内に2個の鉄輪を装置して,どんなに振り回しても蝋燭(ろうそく)が垂直に立つように工夫され,使用者の姿は見えないで思う方向を照射する。強盗提灯(ぢょうちん)ともいい,目明しなどが夜間隠密な行動をとるのに用いられた。

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