車軸草(読み)シャジクソウ

デジタル大辞泉 「車軸草」の意味・読み・例文・類語

しゃじく‐そう〔シヤヂクサウ〕【車軸草】

マメ科多年草。本州中部の高原に生え、茎は高さ約30センチ。葉は手のひら状の複葉で、5枚の小葉からなる。夏から秋に、茎の先に淡紅紫色小花扇形に並べてつける。

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精選版 日本国語大辞典 「車軸草」の意味・読み・例文・類語

しゃじく‐そうシャヂクサウ【車軸草】

  1. 〘 名詞 〙 マメ科の多年草。東ヨーロッパからアジア全域の温帯ないし亜寒帯に広く分布し、日本では本州中部以北の山野に生え、特に長野県の高原に多い。高さ約三〇センチメートル。葉は短い柄のある掌状複葉でふつう五枚の小葉をもち、小葉は長楕円形で縁に細かい鋸歯(きょし)がある。托葉膜質で茎を抱く。初秋、茎の頂に淡紅紫色の蝶形花を四~七個扇形につける。かたわぐるま。あみだがさ。ぼさつそう。〔物品識名(1809)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「車軸草」の意味・わかりやすい解説

シャジクソウ
しゃじくそう / 車軸草
[学] Trifolium lupinaster L.

マメ科(APG分類:マメ科)の多年草。茎は叢生(そうせい)して斜上し、高さ15~50センチメートル。葉は3~5まれに6小葉からなる掌状複葉。葉柄は短く、托葉(たくよう)は膜質で上部まで葉柄に合着する。そのため小葉が節に輪生しているように見え、この名に由来した。小葉は倒披針(とうひしん)形で長さ2~5センチメートル、側脈は縁(へり)に達して鋸歯(きょし)に入る。6~8月、葉腋(ようえき)に花柄を出し、先端に10~20個の花を密につけ、頭状花序をなす。花は淡紅ないし紅紫色の蝶形花(ちょうけいか)で、長さ1.2~1.4センチメートル。萼(がく)は0.6~0.8センチメートルと長く、花期後も残って豆果を包む。豆果は3~6個の種子を含む。山地の乾いた草原や岩上などに生え、北海道、宮城県、群馬県、長野県、およびアジア、ヨーロッパ、アラスカ冷温帯、亜寒帯に分布する。

[立石庸一 2019年10月18日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「車軸草」の意味・わかりやすい解説

シャジクソウ(車軸草)
シャジクソウ
Trifolium lupinaster

マメ科の多年草。東アジアの亜寒帯,シベリア,中央アジア,ヨーロッパ,アラスカに分布し,日本では中部地方以北の山地草原海岸の岩の上などに生える。茎は叢生し高さ 20~40cmになり,葉を互生する。葉柄は短く,托葉と合生する。葉はやや放射状に配列する3~5枚の小葉からなる。和名はこの小葉の配列に注目したもので,そのほかボサツソウ (菩薩草) ,アミダガサ (阿弥陀笠) とも呼ばれる。6~8月,短い柄の先に 10~20個の花を頭状につける。花は紅紫色,蝶形で長さ 12~14cmほどになる。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「車軸草」の解説

車軸草 (シャジクソウ)

学名:Trifolium lupinaster
植物。マメ科の多年草

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世界大百科事典(旧版)内の車軸草の言及

【クローバー】より

…マメ科,シャジクソウ属Trifoliumの多年草または一年草の総称。江戸時代,オランダから医療器具などを輸入した際,荷詰め用として日本に渡来したところからツメクサの名がある。…

※「車軸草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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