天龍(読み)てんりゅう

精選版 日本国語大辞典 「天龍」の意味・読み・例文・類語

てん‐りゅう【天龍】

  1. ( 「りゅう」は「龍」の慣用音 )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙 天を翔(かけ)る龍。天宮を守る龍。てんりょう。
    1. [初出の実例]「既号天龍、無足而走。還称地馬、無翼而飛」(出典経国集(827)二〇)
    2. 「天龍地龍の社あり、是を天妃(てんはい)といふ」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)続)
  3. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 八部衆の代表格である天と龍。→天龍八部
      1. [初出の実例]「もし人般若経をおけらむ所には一切の天龍たな心を合てつつしみ敬はむ」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
    2. [ 二 ] 静岡県西部にあった市。昭和三三年(一九五八市制。平成一七年(二〇〇五)浜松市に編入。天龍川の中流域に位置し、中心の二俣地区は木材の大集散地。
    3. [ 三 ]てんりゅうがわ(天龍川)」の略。
      1. [初出の実例]「程なく天龍にいたる。此川は信州すわの湖水より出」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「天龍」の意味・わかりやすい解説

天龍(村)
てんりゅう

長野県南端、下伊那郡(しもいなぐん)の村。南を愛知県と静岡県に接し、村域の中央を天竜川が南流し、一帯は天竜奥三河国定公園域。1956年(昭和31)平岡、神原(かみはら)の2村が合併して成立。天竜川に沿ってJR飯田(いいだ)線が通じ、国道418号も村を横断するが、多くの集落は山間急斜地にあり、交通不便な隔絶山村である。耕地が少なく、林業ユズウメ、茶の栽培に力を入れている。霜月神楽(しもつきかぐら)は国の重要無形民俗文化財。面積109.44平方キロメートル、人口1178(2020)。

[小林寛義]


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