六訂版 家庭医学大全科 の解説
22q11.2欠失症候群
22q11.2けっしつしょうこうぐん
22q11.2 deletion syndrome
(遺伝的要因による疾患)
どんな病気か
22q11.2欠失症候群は、特徴のある顔つき(眼間解離、
これらの特徴的な症状以外に、精神運動発達遅滞、言語発達遅滞、精神障害(統合失調症やうつ病など)、難聴、
原因は何か
22番染色体長腕の一部(22q11.2部位)が欠失することが原因で発症し、その頻度は、約4000~5000人に1人といわれています。
症状の現れ方と診断
新生児期~乳児期には先天性心疾患、免疫不全、低カルシウム血症や口蓋裂が、幼児期~学童期には精神運動発達遅滞、特徴のある顔つき、構音障害が、思春期~成人期では精神障害、子どもが本症と診断された場合、などが診断のきっかけとなります。
本症が疑われた場合、FISH法を用いた染色体検査で染色体22q11.2の欠失を確認することにより診断できます。
治療の方法
先天性心疾患に対しては手術あるいは内科的治療を、口蓋裂・軟口蓋閉鎖不全に対しても手術を行います。発達の遅れが認められれば、できるだけ早めに、症状に合った療育を始めることが望ましいです。
患者さんによって認められる症状が異なっており、症状に応じて総合的に対応することが重要です。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報