印刷工業で,従来はcold type-setting systemの略称として,鉛版印刷(鉛活字の鋳造,および紙型による鉛版の鋳造をともなう)以外の組版・製版システムのことをいい,写真植字法などをさしたが,最近ではcomputer(ized) type-setting systemの略称として,コンピューター利用の写真植字機(電算写植機)による組版システムをいうことが多い。また新聞の制作において,1975年ごろから,印字・組版からレイアウト,製版に至る工程をコンピューターを利用して一貫したシステムで行うことが始められ,多くの新聞社が従来の鉛版印刷から切り替えてきている。この一貫システムのことをとくにCTSと呼ぶことも多い。
→写真植字機 →新聞
執筆者:編集部
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[電算植字機]
日本文の場合,手動の写真植字機では,操作者が原稿に従っていちいちガラス文字盤から必要な文字を探してシャッターレバーを押すので,1時間に千数百字の印字が限度である。これを能率化するため,写真植字機とコンピューターとを組み合わせた電算植字法computer type‐setting(略称CTS)が開発され,目ざましい発展を遂げている。電算写植,コンピューター写植とも呼ばれ,フォトン,サプトンなどのシステムはこの一種である。…
…こうして鉛活字のかわりに,さん孔テープを自動写植機にかけることによって1行15字に印字したフィルムを出力させ,このフィルムを写真やカットなどとともに1ページ大に貼り合わせ(大貼り),それをネガフィルムにしたうえ,鉛版のかわりに樹脂版または金属平版に製版して輪転機にかける方式が開発され,1968年《佐賀新聞》がまず採用した。これは製作工程から鉛を追放し,軽量化したもので,HTSに対しCTS(cold type system)と呼ばれる。さらにこれに大型コンピューターを導入して,小組み,大貼り,訂正などすべてをディスプレー装置を使って行い,紙面1ページのフィルムをつくり出すCTS(computerized typesetting system)が開発された。…
※「CTS」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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