GVHD(読み)ジーブイエッチディー(その他表記)graft versus host disease

デジタル大辞泉 「GVHD」の意味・読み・例文・類語

ジー‐ブイ‐エッチ‐ディー【GVHD】[graft-versus-host disease]

graft-versus-host disease輸血された血液中のリンパ球患者のリンパ球など細胞組織を破壊するため、免疫がなくなって感染症を併発したり、臓器障害を引き起こしたりする病気GVH病移植片対宿主しゅくしゅ病。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「GVHD」の意味・わかりやすい解説

GVHD
じーぶいえいちでぃー
graft versus host disease

輸血や骨髄移植などの副作用として知られる移植片対宿主病略称。生きているリンパ球を含んだ輸血や骨髄移植などでおこる。

 輸血または移植されたリンパ球(移植片)が患者(宿主)の体内で生着・増殖し、そのリンパ球が患者の細胞を「異物」として認識し攻撃する病気で、発熱発疹(ほっしん)、肝障害等の症状を呈する。ときに多臓器不全等を生じ致命的なこともある。

 輸血によるものは血縁者からの輸血で発生しやすい。有効な治療法はなく予防が重要である。日本では、輸血用血液への放射線照射による予防法の普及により、輸血によるGVHDの発生件数は減少し、2000年(平成12)から2008年までにGVHDの疑いとして日本赤十字社(日赤)に報告された症例のうち、確認された症例はない。骨髄移植では、患者と提供者のヒト白血球抗原HLA)の型が異なるほど移植された骨髄が拒絶されやすくGVHDもおきやすいので、HLAの一致した移植が望まれる。移植後のGVHDの予防、治療には、免疫抑制剤等が用いられ効果をあげている。

[日本赤十字社企画広報室]

『十字猛夫・伊藤和彦編著『輸血後GVHD』(1994・金芳堂)』『森島泰雄編『GVHD予防・治療マニュアル』(2005・南江堂)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「GVHD」の意味・わかりやすい解説

GVHD
ジーブイエイチディー

移植片対宿主病ともいう。輸血された血液中にあるリンパ球が,輸血を受けた人の組織を敵と認識し攻撃する病気。移植された臓器を患者のリンパ球が攻撃する拒絶反応と逆の現象で,発熱や発疹などの症状があり,死亡率は高い。骨髄移植にとっては最大の難関となっていたが,一般の手術で輸血を受けた人にもかなり起きており,1986年から5年間に約 170人が死亡したことが判明した。これを防ぐためには,リンパ球をフィルタで取除くか放射線で弱めることが必要である。日赤は 93年,通常の輸血用血液にも放射線照射を始めることを決めた。

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内科学 第10版 「GVHD」の解説

GVHD

graft-versus-host disease,移植片対宿主病

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