H2受容体拮抗剤(読み)エイチツージュヨウタイキッコウザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「H2受容体拮抗剤」の解説

H2受容体拮抗剤

製品名
《シメチジン製剤》
カイロック(藤本製薬)
シメチジン(皇漢堂製薬、沢井製薬、辰巳化学、長生堂製薬、東和薬品、日本ジェネリック、ニプロ、日医工、陽進堂)
タガメット(大日本住友製薬)
チスタメット(鶴原製薬)
《ニザチジン製剤》
アシノン(ゼリア新薬工業)
ニザチジン(アルフレッサファーマ、大原薬品工業、沢井製薬、東和薬品、ニプロESファーマ、ファイザー、マイラン製薬、陽進堂)
《ファモチジン製剤》
ガスター(LTLファーマ)
ガスターD(LTLファーマ)
チオスター(全星薬品工業、全星薬品、ファイザー)
ファモチジン(大原薬品工業、カイゲンファーマ、共和薬品工業、キョーリンリメディオ、杏林製薬、皇漢堂製薬、沢井製薬、サンド、シオノケミカル、武田テバファーマ、武田薬品工業、辰巳化学、第一三共エスファ、第一三共、長生堂製薬、鶴原製薬、東和薬品、東菱薬品工業、日医工、日本ケミファ、日本薬品工業、日本ジェネリック、日新製薬、ニプロ、富士フイルムファーマ、扶桑薬品工業、メディサ新薬、陽進堂)
ファモチジンD(エルメッド、エーザイ、沢井製薬、サンノーバ、日医工、メディサ新薬)
ファモチジンOD(MEファルマ、大原薬品工業、沢井製薬、サンド、シオノケミカル、第一三共エスファ、第一三共、武田テバファーマ、武田薬品工業、東菱薬品工業、東和薬品、日新製薬、日本ケミファ、日本ジェネリック、富士フイルムファーマ、ファイザー、扶桑薬品工業、マイラン製薬、Meiji Seika ファルマ、陽進堂)
ブロスターM(エルメッド、エーザイ、サンノーバ)
《ラニチジン塩酸塩製剤》
ザンタック(グラクソ・スミスクライン)
ラニチジン(小林化工、沢井製薬、第一三共、第一三共エスファ、武田テバファーマ、武田薬品工業、鶴原製薬、東和薬品、ニプロ、日医工、日本ジェネリック、ファイザー、富士フイルムファーマ、マイラン製薬、摩耶堂製薬、陽進堂)
《ラフチジン製剤》
プロテカジン(大鵬薬品工業)
プロテカジンOD(大鵬薬品工業)
ラフチジン(あすか製薬、沢井製薬、武田テバファーマ、武田テバ薬品、武田薬品工業、辰巳化学、東和薬品、日医工、日本ジェネリック、ファイザー、陽進堂)
《ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩製剤》
アルタット(あすか製薬、武田薬品工業)
ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩(大原薬品工業、沢井製薬、日本ジェネリック)
ロキセタート(東和薬品)

 ヒスタミンH2胃酸の分泌を促す物質)のはたらきを強力に抑える作用止血作用のある薬で、代表的な消化性潰瘍かいようの攻撃因子抑制剤です。


 この薬により、手術に頼っていた消化性潰瘍の大半が薬で治療できるようになりました。


 消化性潰瘍の治療のほか、逆流性食道炎上部消化管のど十二指腸などの出血急性胃炎慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変の改善などの治療にも用いられます。


①過敏症状をおこすことがあります。過敏症状がおこったら服用を止め、すぐ医師に相談してください。


②ショック、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、肝機能異常、黄疸おうだんが現れることがあります。


 そのほかファモチジン製剤では、アナフィラキシー、再生不良性貧血、溶血性貧血、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死えし症、横紋筋壊死おうもんきんえし融解症、QT延長、意識障害、けいれん、間質性腎炎(発熱皮疹、関節痛、吐き気・嘔吐、体重減少など)、急性腎障害、間質性肺炎が現れることがあります。


 ニザチジン製剤では、アナフィラキシー、再生不良性貧血が、シメチジン製剤では、アナフィラキシー、再生不良性貧血、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、間質性腎炎、急性腎障害、房室ブロック、意識障害、けいれんが、ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩製剤では、再生不良性貧血、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、横紋筋融解症が、ラニチジン塩酸塩製剤では、アナフィラキシー、再生不良性貧血、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、横紋筋融解症、間質性腎炎、ミオクローヌス(不随意運動)、意識障害、けいれんが現れることがあります。このようなときは、使用を中止してただちに医師に報告してください。


③薬によって、女性化乳房、頭痛、めまい手足のしびれ、腹部の膨満感、便秘、下痢、顔のむくみ、味覚異常、舌炎、乳汁漏出、乳房痛、筋肉痛、倦怠感けんたいかん、ねむけ、不眠、うつ状態、可逆性の錯乱状態などをおこすことがあります。こうした症状がおこったときは、医師に相談してください。


④一時的に、じん機能検査数値(血中クレアチニンの数値)が上昇することがあります。


錠剤カプセル、散剤などがあります。朝食後と夕食後か、朝食後と就寝前に服用する方法がありますが、服用法については医師・薬剤師の指示を守り、かってに減量・増量しないでください。また、服用するときは、十分な水といっしょに服用してください。


②過去にこの薬で過敏症状をおこしたことのある人には、使用できないことがあります。また、妊婦、現在妊娠する可能性のある人、アレルギー、腎臓じんぞうや心臓に障害のある人は、あらかじめ医師に報告してください。


③薬によっては、ワルファリンカリウム製剤ジアゼパム製剤クロルジアゼポキシド製剤プロプラノロール塩酸塩製剤テオフィリン製剤フェニトイン製剤ニフェジピン製剤といった薬と併用すると、併用した薬の作用が増強・減弱されることがあります。


④アレルギー検査に影響するので、アレルギー検査を受けるときは、この薬を服用している旨を医師に報告してください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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