S波(読み)エスは

百科事典マイペディアの解説

S波【エスは】

地震波のうち,媒質内を四方に伝搬する弾性実体波の一つ。波の進行方向に垂直な媒質の変動が次々と伝わる波なので,横波またはねじれ波ともいう。地震が起きたとき,震源から離れた地点の地震計にはP波(縦波,疎密波)が先に到達し,S波は2番めに到達する波なのでsecondaryのSをとりS波という。地殻上層で毎秒4km程度の速度。一方P波は毎秒8km程度なので両波の到達時間(秒)の差から震源までの距離を算出できる。
→関連項目今村明恒

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世界大百科事典 第2版の解説

エスは【S波 S‐wave】

地震波の主要動をなす横波。震源からある程度離れた地点では,最初ガタガタと上下方向に振動し,次にユサユサと水平方向に大きく揺れる。前者がP波,後者がS波である。S波は横波で,波の伝わる方向と垂直に振動し,ねじれを伝える。液体中は伝わらない。縦波であるP波より遅く伝わるため,P波の次に来る波(secondary wave)として地震計に記録される。このためS波と呼ばれる。地震波【島崎 邦彦】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

S波
えすは

弾性体内部を伝わる実体波の一種。S波により、媒質はS波の伝播(でんぱ)方向とは垂直な方向に振動する。このことから横波ともよばれる。したがってS波は媒質のねじれの状態を伝える性質をもっているのでねじれ波とよばれることもある。液体はねじれ変形に対する抵抗はないので、S波は液体内を伝わらない。地殻内でのS波の伝播速度は毎秒約3~4キロメートルと考えられている。[山下輝夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

エス‐は【S波】

〘名〙 (Sはsecondary の頭文字) 地震波の一つ。P波に次いで伝わり、P波と重なって主要動となる。横波で、一秒間に約三キロメートルの速さで地殻中を伝わるが、液体中は伝わらない。

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世界大百科事典内のS波の言及

【地震波】より

…震源よりある程度離れた地点では,最初に〈がたがた〉と小さく上下方向に揺れたのち,〈ゆさゆさ〉と水平方向に大きく揺れ,その後〈ゆらゆら〉と小さくなりながら振動が続く。最初の〈がたがた〉がP波,次の〈ゆさゆさ〉がS波,これに続くのが表面波である(図1)。P波は縦波で,波の伝わる方向に振動し,伸び縮み(体積変化)を伝える。…

※「S波」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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