デジタル大辞泉 「SPECT」の意味・読み・例文・類語 スペクト【SPECT】[single photon emission computed tomography] 《single photon emission computed tomography》単一フォトン放射断層撮影装置。人体に微量の放射性医薬品を投与しその放射能を体外で測定、コンピューター処理して断層画像を得る。従来のCTは形態しか把握できなかったが、この装置では血液量や代謝などの情報も得ることができる。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「SPECT」の意味・わかりやすい解説 SPECT【スペクト】 単フォトン放射断層撮影装置(single photon emission computed tomography)の略で,脳内の血流を調べる検査方法。放射性同位元素を含む薬剤を静脈内に注射して,これが血液で脳に運ばれた分布状況を,赤,オレンジ,黄色,緑,青(赤から青になるにしたがって,血流が低下する)の色で識別して,コンピューター画像で表す。 この検査は,とりわけ脳梗塞(こうそく)の早期発見に威力を発揮する。脳血管が詰まってから再開通させるためには,発症してから長くても6時間以内,できれば3時間以内に治療を開始しなければならない。SPECTでは発症直後でも梗塞の範囲がはっきりとわかるので,すばやく適切な診断ができる。さらには,脳虚血状態(脳の血流が低下して,不足している状態)も画像に表せるので,脳梗塞になる前の予防的な治療も可能である。 これに対して,ふつうのCTスキャンやMRIでは,脳の血管が詰まってから少なくとも3〜6時間以上,はっきりとわかるには24時間以上たって,脳細胞に栄養が行かなくなり,壊死(えし)した状態にならないと所見として出てこない。したがって,これらの検査結果が出てからでは手後れになるケースもある。 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報