前川国男(読み)まえかわくにお

百科事典マイペディア 「前川国男」の意味・わかりやすい解説

前川国男【まえかわくにお】

建築家。新潟市生れ。1928年東大卒。ル・コルビュジエもとで働き,1935年独立して建築事務所を開いた。鉄筋コンクリート構造可能性を追求し,神奈川県立図書館・音楽堂東京文化会館など多数公共建築設計住宅では東京晴海のアパートが知られる。
→関連項目国立西洋美術館CIAM丹下健三東京都美術館富山県立近代美術館浜口隆一福岡市美術館宮城県美術館山梨県立美術館

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20世紀日本人名事典 「前川国男」の解説

前川 国男
マエカワ クニオ

昭和期の建築家 前川国男建築設計事務所代表取締役。



生年
明治38(1905)年5月14日

没年
昭和61(1986)年6月26日

出生地
新潟県新潟市

出身地
東京

学歴〔年〕
東京帝国大学工学部建築科〔昭和3年〕卒

主な受賞名〔年〕
朝日賞〔昭和37年〕,オーギュスト・ペレー賞(国際建築家協会)〔昭和38年〕,日本建築学会大賞〔昭和43年〕,毎日芸術賞〔昭和46年〕「埼玉県立博物館」,日本芸術院賞〔昭和49年〕「埼玉県立博物館」,東京都文化賞(第1回)〔昭和60年〕

経歴
昭和3年パリへ渡り、ル・コルビュジエ建築事務所に入り2年間西洋の合理主義建築を学ぶ。5年東京レーモンド建築設計事務所勤務、10年前川国男建築設計事務所を設立。また34年から3年間、日本建築家協会会長を務めた。作品に神奈川県立図書館・音楽堂(29年)、京都会館(35年)、東京文化会館(36年)、埼玉県立博物館(48年)、東京都美術館(50年)、福岡市美術館(54年)など多数。平成9年、昭和17年に建てられた東京・上大崎の私邸(のち改築時に解体された)が24年ぶりに小金井市江戸東京たてもの園で復元された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「前川国男」の意味・わかりやすい解説

前川国男
まえかわくにお
(1905―1986)

建築家。新潟市に生まれる。1928年(昭和3)東京帝国大学建築学科卒業。渡仏してル・コルビュジエに師事。2年後帰国し、レイモンド建築設計事務所に入る。35年独立して事務所を開設。東京帝室博物館の競技設計(1931)に落選覚悟で新しいスタイルの計画案を応募するなど、昭和期の近代建築運動の主導者として活躍。ことに第二次世界大戦後の活動は目覚ましい。主要作に日本相互銀行本店(1952)、神奈川県立音楽堂および図書館(1954)、世田谷(せたがや)区民会館(1957)、京都会館(1960)、東京文化会館(1961)、埼玉県立博物館(1971)、東京海上火災ビル(1974)など。59~62年日本建築家協会会長を務め、74年日本芸術院賞を受賞

[天田起雄]

『足立光章他編『現代日本建築の源流 前川国男』(1984・プロセスアーキテクチュア)』『前川国男著『前川国男 コスモスと方法』(1975・南洋堂出版)』『前川国男・MID同人著『前川国男のディテール』(1979・彰国社)』


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改訂新版 世界大百科事典 「前川国男」の意味・わかりやすい解説

前川国男 (まえかわくにお)
生没年:1905-86(明治38-昭和61)

建築家。新潟市の生れ。1928年東京帝国大学建築学科を卒業後,渡仏してル・コルビュジエに師事し,近代建築の持つ倫理観に影響を受ける。帰国後多くの競技設計で国粋的な建築様式と対抗するが,〈大東亜建設記念営造物懸賞設計〉(1942)の審査員として丹下健三による軍国主義下の画期的作品を追認した。戦後は被災住宅の復興に力を注ぎ,また建築表現のための技術追求により戦後建築の基礎をひらいた。作品に紀伊国屋書店(1947),日本相互銀行本店(1952),東京文化会館(1961)などがある。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「前川国男」の解説

前川国男 まえかわ-くにお

1905-1986 昭和時代の建築家。
明治38年5月14日生まれ。昭和3年フランスにわたり,ル=コルビュジエにまなび,日本近代建築界のリーダーとなる。戦後は紀伊国屋書店(22年),東京文化会館(36年),埼玉県立博物館(46年)などの建築で注目をあつめた。34年日本建築家協会会長。49年芸術院賞。門下に丹下健三ら。昭和61年6月26日死去。81歳。新潟県出身。東京帝大卒。

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367日誕生日大事典 「前川国男」の解説

前川 国男 (まえかわ くにお)

生年月日:1905年5月14日
昭和時代の建築家。前川国男建築設計事務所代表取締役
1986年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の前川国男の言及

【近代建築】より

…しかし同時にそのころ日本は第2次大戦に傾斜しつつあって,近代建築の造られる土壌は急速に衰えていく。戦時中の国粋的風潮のなかで近代化への情熱はひっそくし,わずかに前川国男が懸賞設計で時流に抵抗する姿勢を見せるにとどまった。 近代建築の発展と日本の風土のなかへの定着は第2次大戦後にもちこされる。…

【プレハブ建築】より

… 日本でプレハブ建築が普及するようになったのは第2次世界大戦後で,戦後の復興期には大量の住宅を急速につくらねばならず,住宅生産におけるプレハブ技術の開発導入が盛んに行われた。戦争直後には前川国男の設計による木質パネル工法〈プレモス〉が実施され,ほかにも多くの試みがなされた。1955年には軽量鉄骨の製造が始まり,60年代にはいわゆる鉄骨形プレハブ住宅の量産化が本格化することになる。…

※「前川国男」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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