CPTPP(読み)シーピーティーピーピー(その他表記)CPTPP

デジタル大辞泉 「CPTPP」の意味・読み・例文・類語

シーピー‐ティーピーピー【CPTPP】[Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership]

Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership》アジア太平洋地域における経済連携協定関税を大幅に引き下げ、貿易・投資の自由化を進めるとともに、公正な通商ルールの構築を目指す。環太平洋経済連携協定TPP)から離脱した米国を除く11か国が加盟。2018年12月30日に発効環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定。包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定。TPP11。
[補説]締結時の11か国はオーストラリアブルネイカナダチリ日本マレーシアメキシコニュージーランドペルーシンガポールベトナム。2024年より英国が加盟。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「CPTPP」の意味・わかりやすい解説

CPTPP
しーぴーてぃーぴーぴー
Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership

太平洋周辺の国々を中心にした国際経済連携協定。関税を大幅に引き下げ、投資や金融サービスの自由化を進め、環境や雇用などで公正な通商ルールの構築を目ざす。正式名は「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」で、CPTPPはこの略称である。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)から離脱したアメリカを除く国々が参加する国際協定で、「アメリカ抜きTPP」、あるいはTPPに加盟国数を加えて「TPP12」とよばれる。参加国は2023年末時点で、日本、シンガポール、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、メキシコ、チリ、ペルー、イギリスである。なお、一般にTPPという場合、このCPTPPをさすことが多い。

 TPPは2016年に発足するはずだったが、アメリカが2017年、大統領トランプ(当時)の意向で離脱。このため関税の撤廃・引下げ(市場アクセス)、投資や金融サービスの自由化などを柱とするTPPのうち、アメリカの要求で盛り込まれていた知的財産権の保護(11項目)、サービス貿易の自由化(2項目)、政府調達(2項目)、投資の自由化(1項目)など22項目の効力を凍結したCPTPPに合意し、2018年に11か国で発効した。その後、ヨーロッパ連合EU)から離脱したイギリスが2023年に加わった。CPTPPはTPPを基礎としており、関税の撤廃・引下げ、国有企業への優遇縮小、電子商取引の推進など、貿易や投資の自由化原則を踏襲する七つの条文からなる。鉱工業品、農産物など全品目・貿易額の99.9%(日本は95%)の関税が撤廃され、投資や知的財産保護のルールを確立し、外国人労働者の受け入れに関する規制も少なくなる。なおCPTPPは、アメリカの協定復帰を待って、加盟国の合意を得たうえで、凍結項目を解除する方針である。

[矢野 武 2024年1月18日]

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