MBO(読み)エムビーオー

デジタル大辞泉 「MBO」の意味・読み・例文・類語

エム‐ビー‐オー【MBO】[management by objectives]

management by objectives目標管理制度。組織全体の目標と個々の作業員の目標を関連づけ、企業の目標を達成することに人間としての目標達成の満足感を味わわせようとするもの。

エム‐ビー‐オー【MBO】[management buyout]

management buyout》経営陣が自ら調達した資金で自社あるいは事業部門を買収し、親会社など株主から経営権を取得すること。マネージメントバイアウト

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「MBO」の解説

MBO

経営陣による自社買収を意味する「Management Buyout(マネジメント・バイアウト)」の略。経営陣が自社の株式を買い取り、非上場企業にする。敵対的な買収を防げるほか、経営の自由度が高まり事業の構造改革を進めやすくなる利点がある。一方で、株主からの監視機能がなくなり、経営が不透明になるとの懸念が指摘される。今年11月には、ベネッセホールディングスや給食大手シダックスもMBO実施を表明した。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「MBO」の意味・わかりやすい解説

MBO
えむびーおー

management buyoutの略。経営者や従業員が自社の株式を取得して事業経営を承継すること。M&A(企業の合併・買収)の一形態だが、身内への事業売却となるため、「現代版のれん分け」ともいえる。大企業が子会社を手放したり、中小企業のオーナーが後継者に事業を譲る際に活用されるケースが多い。買収する側にとっては、なじんできた事業で人材など経営資源や商権を一括して引き継げるというメリットがある。買収資金の調達方法としては、外部の金融機関投資ファンドなどと組む場合が多い。日本では、事業の再編・絞込み策から外れた部門や、非効率事業、子会社を整理・売却する際などに、2000年代に入って大手企業を中心に活用例が増えた。近年では、敵対的買収を仕掛ける外資などから企業を防衛する目的、あるいは経営の自由度・機動性を高めたいといった動機などから、MBOを実施して上場廃止(株式非公開)にするケースも目だつ。

[原 正輝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵 「MBO」の解説

MBO

マネジメント・バイアウトは、経営陣による株式の買い取りであり、(1)過半数の株式取得によって経営権を手に入れることで敵対的買収に対抗するものと、(2)経営権を獲得し、株式非公開化をすることで敵対的買収にさらされることを回避する「究極の買収防衛策」とがある。(2)は(1)をさらに一段と進めた敵対的買収への対抗策である。2005年11月上場企業であるアパレル大手のワールド経営破綻あるいは上場廃止基準に抵触したという要因からではなく、経営上の判断による自主的な上場廃止の決定をしたことは、国内初の出来事として注目された。ワールドがMBOを通じて株式非公開化に踏み切った背景には、潤沢な手元資金と高い外国人持ち株比率が敵対的買収リスクを高めていることや短期的な利益配分を求める短期的株主価値の増大と川上遡及(そきゅう)にあたる生産分野への進出という中長期的な企業価値の増大の離反乖離(かいり)がある。株式非公開化という経営陣の判断には以上のような積極的な理由のほか、上場の意義という本質的な問題が潜んでおり、ワールドの場合、その意義が薄れたということになる。さらに、上場廃止には多くの問題がある。1つは経営の不透明性の増大と外部からのチェック機構を欠いたコーポレート・ガバナンス(企業統治)などである。

(高橋宏幸 中央大学教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「MBO」の解説

MBO

マネージメントの方法論の1つ。目標管理とも呼ばれている。目標によって管理する対象は事業や仕事の内容、あるいは部下の活動であって、目標を管理することとは意を異にする。事業や部署の内容に応じた最適な目標を設定することはもちろんのこと、上司が一方的に担当者の仕事を割り振ったり、細かく指示命令するのでなく、担当者自らが自分が担当する仕事について目標を設定することが肝要とされる。その目標について上司との合意がとれたら、目標達成に向けての活動は担当者が自己統制しながら進める。上司と部下の意思疎通が成功の鍵になる。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

M&A用語集 「MBO」の解説

MBO

経営陣による企業買収。企業の経営者や幹部社員等が、その企業の一部もしくは全部を買収して経営権を握り独立する手法。いわゆる「のれん分け」に近い効果があり、LBOや投資ファンドからの出資を受けることにより買収資金の調達が行われることが多い。日本でも株式の非公開化 (プライベタイゼーション) のため、ワールド、ポッカ、すかいらーくなどの大企業が続々と導入している。

出典 M&A OnlineM&A用語集について 情報

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android