RISC(読み)りすく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「RISC」の意味・わかりやすい解説

RISC
りすく

コンピュータにおいて命令セットを利用するアーキテクチャーの一つ。縮小命令セットコンピュータ。reduced instruction set computerの略。ここで使われる命令セットは、使用頻度の高いシステムの基本的な命令(128種以下)に限り、配線論理による制御で命令が画一的に流れるくふうなどをしたことにより、従来型の複合命令を多数用意したコンピュータ(CISC(シスク):complex instruction set computer)に比べ、数倍の演算速度の高速化を図っている。アメリカのIBMトーマス・J・ワトソン研究所で1975年に考案された。代表的な製品にIBM、アップル・コンピュータ(現、アップル)、モトローラ(現、フリースケール・セミコンダクタ)が開発したパワーPCや、サン・マイクロシステムズ(現、SPARC(スパーク)アーキテクチャ)開発のSPARC、ヒューレット・パッカード(HP)開発のPA-RISC、ディジタル・イクイップメント・コーポレーションDEC。現、HP)開発のAlpha(アルファ)がある。パソコンCPU中央処理装置)は、従来型CISCにRISCの技術を大幅に取り入れて高速化を図るなどしており、高速・低電力を利して携帯電話など組み込み型の市場はRISCが独占している。

[岩田倫典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「RISC」の意味・わかりやすい解説

RISC
リスク

命令の数を減らし,処理の高速化をはかったマイクロプロセッサ。縮小命令コンピュータ reduced instruction set computerの略。実際に使われる命令は単純で,しかも数が限られているという事実着目,高速の専用回路で実行させる。これまでのCISCと比べて処理速度の大幅向上と設計簡素化が可能となった。数少ない命令をうまく使うためにはソフトウェア側で工夫が必要だが,コンパイラ最適化技術の進展により RISCの優位性は高まっている。

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