SUBARU(読み)すばる(その他表記)SUBARU CORPORATION

共同通信ニュース用語解説 「SUBARU」の解説

SUBARU(スバル)

旧日本軍の戦闘機を製造していた中島飛行機前身の大手自動車メーカー。2017年4月に富士重工業から社名を変更した。自動ブレーキなどの運転支援システム「アイサイト」に定評があり、近年は北米事業が好調。19年3月期の連結売上高は3兆1605億円、純利益は1478億円。国内外の販売台数は約100万台で、グループ全体の従業員は約3万4千人。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「SUBARU」の意味・わかりやすい解説

SUBARU(株)
すばる
SUBARU CORPORATION

「SUBARU(スバル)」ブランドの自動車のほか、航空機などの重工機械メーカー。1917年(大正6)設立の飛行機研究所(のちの中島飛行機)が前身。第二次世界大戦後は長く、富士重工業という社名であったが、創業100周年となる2017年(平成29)4月に、海外でも知名度の高い車のブランド「SUBARU」を社名に採用し「株式会社SUBARU」となった。トヨタ自動車グループに属し、「レガシィ」「インプレッサ」などの自動車を世界で年間約100万台生産している。

 中島飛行機は元海軍大尉の中島知久平(ちくへい)が設立し、旧陸軍の主力戦闘機「隼(はやぶさ)」などを量産したが、第二次世界大戦後、企業再建整備法(昭和21年法律第40号)により12社に分割された。このうち5社(富士工業、富士自動車工業、大宮富士工業、宇都宮車両、東京富士産業)が合併し、1953年(昭和28)に富士重工業として発足。1958年に発売した軽自動車「スバル360」の成功で自動車会社としての地位を確立した。1968年に日産自動車と業務提携、1970年代以降、石油ショックや排気ガス規制などを追い風にアメリカ市場を開拓した。しかしバブル崩壊の影響で経営不振に陥った日産自動車が、保有していた富士重工業株式すべてを2000年(平成12)にゼネラル・モーターズGM)へ売却。富士重工業はGM傘下に入り、当時同グループであったスズキやイタリアのフィアット社などと部品共通化や新車開発に取り組んだ。その後、GMの業績悪化で2005年にトヨタグループ入りし、2012年には軽自動車の生産を終え、トヨタグループのダイハツ工業から軽自動車の供給を受けている。航空機用エンジンを自動車に応用した振動騒音が少ない「水平対向エンジン」や、衝突の危険を感知してブレーキを制御する「アイサイト」システムを開発するなど、技術力には定評がある。航空宇宙部門では、第二次世界大戦後、国産機YS-11の開発に参加。ボーイング社やエアバス社の機体生産を担い、ヘリコプターや無人偵察機を防衛省などへ納入している。過去にバス車体、鉄道車両、スクーター、オートバイ、汎用(はんよう)エンジン、発電機などの生産実績がある。生産拠点は群馬県太田市、同大泉町、栃木県宇都宮市、愛知県半田市やアメリカ、カナダなど。本社所在地は東京都渋谷区恵比寿(えびす)。資本金1537億円(2017年3月末)、売上高3兆3260億円(2017年3月期)。

[矢野 武 2018年5月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「SUBARU」の意味・わかりやすい解説

SUBARU
スバル

自動車,航空機,宇宙関連機器製造会社。1950年に中島飛行機を前身とする富士産業が分割され発足した 12社のうち 5社(富士工業,富士自動車工業,大宮富士工業,宇都宮車輌,東京富士産業)の共同出資によって,1953年に富士重工業として設立。1955年,5社を吸収合併。1958年四輪乗用車『スバル』の販売開始。同 1958年には,第2次世界大戦後初となる国産ジェット機 T-1の初飛行に成功し,翌 1959年に航空自衛隊の練習機向けに量産開始。1968年日産自動車と業務提携(2000解消)。1999年アメリカ合衆国のゼネラル・モーターズと資本提携(2005解消)。2000年スズキと業務提携。2006年トヨタ自動車と業務提携。2008年トヨタ自動車およびダイハツ工業と業務提携。2017年社名を SUBARUに改称。

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