YKK(読み)わいけーけー

共同通信ニュース用語解説 「YKK」の解説

YKK

世界展開するファスナー大手メーカー。現会長の吉田忠裕よしだ・ただひろ氏の父、忠雄ただお氏が1934年、東京・日本橋に「サンエス商会」として創業した。戦災で東京の工場が全焼し、忠雄氏の出身地である富山県に生産拠点を移した経緯がある。主な子会社に住宅やビル建材を扱う「YKK AP」がある。日本を含む71の国・地域で事業を展開、海外での売上高が4割超を占める。富山県黒部市に主力工場がある。2014年3月期連結決算の売上高は6969億円、純利益は449億円。14年3月時点の従業員数は約4万人。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「YKK」の意味・わかりやすい解説

YKK(株)
わいけーけー

ファスナー市場の世界最大手で、アルミ建材でも国内トップの企業。1934年(昭和9)吉田忠雄(1908―93)が東京でファスナーの製造販売のサンエス商会を創業。1938年に東京・小松川(こまつがわ)に工場を新設し、吉田工業所となるが、第二次世界大戦時の空襲で工場を焼失した。1945年(昭和20)吉田の故郷の富山県魚津(うおづ)に工場を設け、吉田工業として再起を図る。1950年にアメリカからファスナーの自動生産機を購入、独自の改良を重ね、大量生産によりファスナーの国内トップメーカーの地位を確立した。1954年より富山県黒部(くろべ)市に大規模な一貫生産工場を建設。1959年に最初の海外工場をインドに建設、続いてインドネシアニュージーランドなどに工場を相次ぎ開設した。樹脂を素材とした新しいファスナーを開発する一方で、61年にアルミ建材の生産販売を開始、ファスナーと並ぶ新しい事業部門がスタートした。1976年に初のアルミ建材海外工場をシンガポールに完成。1994年(平成6)に社名を吉田工業から、ブランド名にあわせてYKKとした。グループ会社は世界70か国に118社、株式未公開で資本金120億円(2008)、売上高6726億円(2008。連結ベース)。

[中村青志]

『五十年史編纂室編『YKK五十年史』(1984・吉田工業)』『YKK株式会社編・刊『挑戦と創造の最近10年史』(1995)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「YKK」の意味・わかりやすい解説

YKK
ワイケイケイ
YKK Corporation

金属製品,建材メーカー。1934年サンエス商会として創業,1938年吉田工業所に改称,1945年魚津鉄工所(1943設立)を買収して改組し,吉田工業に社名変更。1994年8月から現社名となる。ファスナーのトップメーカーで,アルミ建材でも大手。ほかに建材用加工機械,繊維テープなども手がけ,海外生産を積極的に進めている。

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