改訂新版 世界大百科事典 「そばかす」の意味・わかりやすい解説
そばかす
freckle
医学的には雀卵斑(じやくらんはん)ephelidesという。眼下部から頰骨部に多発する,直径が2~3mmで不規則な形をした扁平な褐色斑で,小児期の女子に多いが,日本人では思春期ころから目立ってくることもある。一般に色白で,日焼けしやすい人に多く,優性遺伝するが,症状の現れ方には差がある。紫外線に当たることによって誘発されるので,顔のほか,手背,上腕,肩など日に当たるところにもみられ,夏季に数が増して色が濃くなるが,冬季にも消えることはない。治療は日光光線,とくに紫外線を避ける。パラアミノ安息香酸含有軟膏などの遮光クリームの外用,ビタミンCの内服も行うが,あまり有効ではない。
手足の背面,前腕,下腿の伸側に点状の褐色斑と脱色素斑が混在し,顔にはそばかす様の小色素斑が散在するものは,遺伝性対側性色素異常症と呼ばれ,常染色体性優性の遺伝性疾患である。軽度のものを含めれば日本人には比較的多くみられるが,日本人以外ではきわめてまれである。
執筆者:新村 真人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報