シュリーレン(その他表記)schliere[単数], schlieren[複数]

岩石学辞典 「シュリーレン」の解説

シュリーレン

シュリーレンはオーストリアの煉瓦職人が使っていた古い語で,異なった色のセメント石膏を不十分の混合したときにできる人工的な条線をいう.その後レイヤーが多少レンズ状の形で混合し拡散して輪郭不規則,不明瞭な条線に使用した[Reyer : 1877].ツィルケルはシュリーレンは火成岩の肉眼的な模様の表現に用いた[Zirkel : 1893].岩体の中でマフィック鉱物が周囲の部分よりも濃集して不規則な条状,線状,面状となったもので,輪郭が拡散してはっきりしないものがあり,部分的に再流動化したものがある.捕獲岩マグマの流れによる条痕などを示している.火成岩体がその場で分化作用,母岩の破片同化作用を行なったり,すでに固結した物質の中に残液が注入したことなどを表すと考えられている.ツィルケルは構造的(constitutional),貫入状(injection),結核状(concretionary),ヒステロジェニック(hysterogenic)なシュリーレンを区別している[Zirkel : 1893].
シュリーレンという語はミグマタイトの構造,組織にも用いられる.この場合にはパレオソムまたはネオソムを含んだメラノソムの条線をいう.優黒質で不規則な条線や塊となり,この条線は片理に平行配列することが多い.日本では墨流しと表現することがある.ミグマタイトあるいは混成したミグマタイトの中の不規則な流れや塊を示すと考えられ,その境界は不明確である.シュリーレンはパレオソムで,周囲のネオソムに囲まれているとされている.岩体の中でマフィック鉱物が周囲の部分よりも濃集して,不規則な条線状や面状となる.捕獲岩やマグマの流れによる条痕などを示すことから,火成岩がその場での分化作用,母岩の破片の同化作用,すでに固結した物質の中への残液の注入,などによるものと考えられている.

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最新 地学事典 「シュリーレン」の解説

シュリーレン

schlieren

火成岩中にみられる組成または組織の異なったレンズ~縞状の部分。多くは有色鉱物が特に濃集したもの。記載的用語で,成因的にはいろいろのものがあり,マグマの分化に際し早期に晶出した鉱物の集まったもの(超苦鉄質岩体やクロム鉄鉱鉱床,花崗岩中の磁鉄鉱鉱床に例が多い),岩石中にほかのマグマが貫入したもの,捕獲岩が部分的に混成作用を受けたもの(花崗岩中の苦鉄質包有岩など)などがある。この語は,古くドイツの石工がセメントの混合不完全のためにできる縞に対して用いていたものを,E.Reyer(1877)が地質学に導入したといわれる。

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