日本大百科全書(ニッポニカ) 「マチュー」の意味・わかりやすい解説
マチュー
まちゅー
Mireille Matieu
(1946― )
フランスのシャンソン歌手。アビニョン生まれ。貧しい墓石工の家に育ち、13人の弟妹の世話をしつつ、工場で働きながら歌の勉強を続けた。1965年にでたテレビののど自慢番組で注目され、翌年のレコードデビュー曲『愛の信条』が大ヒットした。デビュー当時、声質がピアフに似ているのでその再来といわれた。声を張り上げ、力強く歌う点に特色があり、マネージャーのジョニー・スタークや作・編曲を担当したポール・モーリアPaul Mauriat(1925―2006)などの強力なバック・アップのもと、一躍スターの座についた。その後も、フランス語圏だけではなく、ドイツや日本においても根強い人気をもち、第一線の歌手として活躍。代表的歌唱に『美しき星のワルツ』『灰色の恋』『哀(かな)しみの日曜日』などがある。71年(昭和46)初来日。
[田井竜一]