(読み)サイ

デジタル大辞泉 「債」の意味・読み・例文・類語

さい【債】[漢字項目]

常用漢字] [音]サイ(漢)
借りがあること。負い目。借金。「債券債務負債
貸しを取り立てること。「債鬼債権
「債券」の略。「外債起債国債社債

さい【債】

返さなければならない金品。また、金品を借りた負い目。借金。借財。「債を負う」

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精選版 日本国語大辞典 「債」の意味・読み・例文・類語

さい【債】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 他人から金品を借りた負い目。借金。負債。
    1. [初出の実例]「嘗て債(〈注〉カケ)を負ひ、償ふこと能はずして、家中の物を搶奪せられしが」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉六)
    2. [その他の文献]〔史記‐孟嘗君伝〕
  3. すべて、済まし果たすべき義務あるもの。かり。〔白居易‐晩春欲攜酒尋沈四著作先以六韻寄之詩〕

もの‐の‐かい‥かひ【債】

  1. 〘 連語 〙 金銭などを借りて、償わなければならないもの。負債。借財。
    1. [初出の実例]「凡そ債(モノノカヒ)(おへ)る者(もの)、乙酉年より以前の物は、利(このしろ)(と)ること莫」(出典日本書紀(720)持統元年七月(北野本訓))

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普及版 字通 「債」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

[字音] サイ・シャク
[字訓] かり・かけ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は責(せき)。責の初形は賦貢を納入することをという。金文にはのほかの字があり、「多」のように用いる。債はその納入義務をいう字で、負債の意に用いる。〔説文新附〕八上に「なり」とし、責の亦声とする。

[訓義]
1. かり、おいめ、負債。
2. かけ、かし、債権。
3. 責と通用することがある。責は債の初文。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕債 毛乃乃加比(もののかひ)、、於保須(おほす) 〔字鏡集〕債 ツヒユ・モノノカヒ・オセコト・ウルハシ・ウゴク・セタム・カカム・ナツマシ・ヤトフ・ハタル・オホス・トモシ・モトム・セム

[語系]
債・責tzhekは同声。責はもと賦貢義務をいう。のち一般の貸借関係に移して、債という。

[熟語]
債家・債権・債主・債食・債人債責債銭・債台債負・債務債利債累
[下接語]
外債・起債・義債・戯債・旧債・公債・国債・残債・市債・私債・詩債・社債・酒債・収債・宿債・償債・前債・息債・内債・負債・薬債・理債

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