地域的経済統合の一形態。関税同盟よりもいっそう統合の進んだ形態である。関税同盟の場合は、加盟各国が、域外へは共通の関税率を設定し、域内においては財を自由に移動させるため関税や輸入制限その他の障壁を除去するが、共同市場はそれに加えて、域内における労働や資本などの生産要素の移動に対するあらゆる制限をも除去するものである。それによって大きな単一の経済圏が構成される。典型的な例としてはヨーロッパ共同市場(ECM)があげられるが、これはのちに1992年のマーストリヒト条約調印、翌93年同条約発効とともにヨーロッパ連合(EU)として経済統合の段階を高めた。また1999年よりEUにおいては単一通貨ユーロが非現金取引に使われはじめ、2002年1月からは現金として流通を開始した。
なお、発展途上国どうしで結成されている共同市場は、加盟国間の経済発展の格差や政策の相違が著しいため、実質的には統合の状態を実現するには至っていないのがほとんどである。現在、メルコスール(南米南部共同市場)、中米共同市場、南部アフリカ開発共同体などがある。
[相原 光・秋山憲治]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…加盟国間の関税その他の貿易制限は撤廃するが,地域外への関税率等については各国が決定権を保持する場合を自由貿易地域free trade areaという。関税同盟に加えて,資本や労働移動の制限をも廃止したり,さらに金融政策・財政政策等に関しても加盟国間相互の調整を行う場合を,それぞれ共同市場,経済同盟という。関税同盟は,こうしたさまざまな経済統合の一形態である。…
※「共同市場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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