ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大原総一郎」の意味・わかりやすい解説
大原総一郎
おおはらそういちろう
[没]1968.7.27. 東京
実業家。 1932年,東京大学経済学部を卒業後,一族の経営する倉敷紡績の関連会社・倉敷絹織 (現クラレ ) に入社。 39年社長に就任し,41年から倉敷紡績社長も兼任した。経営者として評価を高めたのは,独自の開発によるビニロンの工業化だが,他方で,大原農業研究所,大原社会問題研究所,倉敷中央病院,大原美術館などの事業を発展させたことでも著名。 64年国民生活審議会会長に就任し,初めて企業の社会的責任を強調,公害問題に対して発生者責任の原則を提唱した。私生活では R.シューマンとゴッホに魅せられ,音楽を生活の一部とした教養人であった。起業家精神をもち,自然と人間,科学技術を総合的にとらえ直した経営者の1人である。
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