橘樸(読み)タチバナシラキ

デジタル大辞泉 「橘樸」の意味・読み・例文・類語

たちばな‐しらき【橘樸】

[1881~1945]中国研究家・ジャーナリスト。大分の生まれ。王道国家論など満州国理念を説き、合作社運動を進める。著作に「支那思想研究」「支那社会研究」など。

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改訂新版 世界大百科事典 「橘樸」の意味・わかりやすい解説

橘樸 (たちばなしらき)
生没年:1881-1945(明治14-昭和20)

中国問題研究者,ジャーナリスト。大分県生れ。早稲田大学中退。1906年中国に渡り,ジャーナリストとして《遼東新報》《京津日日新聞》などに執筆,25年には満鉄嘱託となった。この間,中国の社会,政治,経済,思想など多方面にわたる研究を行っているが,他にさきがけて孫文を高く評価した。その後,国民革命に理解を寄せ,満鉄が収集した膨大な資料を駆使して中国社会論,革命論に先駆的業績を残したが,31年満州事変直後石原莞爾らと会見したのを機に超国家主義者,〈新重農〉主義者に転向して合作社運動などを支援した。《支那思想研究》《支那社会研究》《支那建設論》《中国革命史論》などがあり,多くは《橘樸著作集》に収載されている。
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20世紀日本人名事典 「橘樸」の解説

橘 樸
タチバナ シラキ

大正・昭和期のジャーナリスト,中国研究家



生年
明治14(1881)年10月14日

没年
昭和20(1945)年10月25日

出生地
大分県臼杵市海添

学歴〔年〕
五高〔明治34年〕中退,早稲田大学〔明治36年〕中退

経歴
明治34年北海タイムス社に入社。39年満州に渡り、ついで北京に渡って中国社会に強く関心を抱く。「遼東新報」記者、「日華公論」主筆、満鉄嘱託などを歴任し、評論家として活躍。この間、大正13年「月刊支那研究」を創刊。昭和6年「満州評論」を創刊、主幹。7年満州国協和会創立とともに理事、15年昭和研究会に参加。敗戦後、奉天で客死した。著書に「土匪」「道教」「満州と日本」「支那社会研究」「支那思想研究」「中華民国三十年史」「中国革命史論」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

百科事典マイペディア 「橘樸」の意味・わかりやすい解説

橘樸【たちばなしらき】

ジャーナリスト,中国研究者。大分県生れ。早稲田大学中退。1906年ジャーナリストとして渡中,《京津日日新聞》などの主筆を務め,1924年《月刊支那研究》を創刊。思想,社会,政治,経済など総合的に中国を研究し,おりから始まった中国国民革命に理解を寄せ,中国社会論,革命論に先駆的業績を残した。1925年満鉄嘱託となり,1931年《満州評論》を創刊するが,直後に勃発した満州事変を機に方向転換を表明して関東軍の行動を支持,王道論を唱え,〈満州国樹立を理論面から支援した。《橘樸著作集》全3巻がある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「橘樸」の解説

橘樸 たちばな-しらき

1881-1945 明治-昭和時代前期のジャーナリスト,中国研究家。
明治14年10月14日生まれ。39年中国にわたり,中国情勢の調査,報道,論評にあたる。大正14年満鉄嘱託となり,昭和6年満州事変勃発後は満州(中国東北部)農村の合作社運動をすすめた。昭和20年10月25日死去。65歳。大分県出身。早大中退。著作に「支那思想研究」「支那社会研究」など。

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367日誕生日大事典 「橘樸」の解説

橘 樸 (たちばな しらき)

生年月日:1881年10月14日
大正時代;昭和時代のジャーナリスト;中国問題研究家
1945年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の橘樸の言及

【五・一五事件】より

…海軍急進派青年将校を中心とする1932年のクーデタ事件。1931年十月事件が不発に終わったのち,橋本欣五郎中佐ら幕僚将校は地方や外国に転勤させられ,幕僚将校に反感をもった隊付青年将校らは,荒木貞夫陸相のもとで国家改造が実現できるものと期待し,直接行動から離れていった。これに対して井上日召一派と藤井斉中尉ら海軍急進派青年将校は国家改造のための決起に固執し,はじめは32年2月11日の紀元節を期して政財界の要人を暗殺することを計画した。…

※「橘樸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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