炭火(すみび)、焚火(たきび)などを挟むのに用いる箸。「火筋」「火挟」「撥火杖」などとも書き、いずれもヒバシとよんでいた。古くは枝木などでつくったが、のちには鉄、銅、真鍮(しんちゅう)などの金属にかわった。細長い一対の棒で、直径は0.5~1センチメートル、長さは20~60センチメートルに及ぶ各種があるが、普通、炉、かまど用には直径0.6センチメートル、長さ50センチメートル前後、火鉢用には直径0.5センチメートル、長さ25センチメートル前後のものが多く用いられた。その形状には丸形、角形、橈(かい)形などがあり、また頭部に装飾のための彫刻・象眼(ぞうがん)を施したもの、散失を防ぐために輪・鎖でつないだもの、熱の伝導を防ぐために竹・木の柄(え)をはめたものなどがある。火箸の習俗としては、厄年(やくどし)や不運な家にこれを贈ることがある。
[宮本瑞夫]
春になって暖かくなりかけた頃、急に寒さが戻って、地面などがまた凍りつく。《 季語・春 》[初出の実例]「七瀬御秡 同晦日也。〈略〉雪汁いてかへる」(出典:俳諧・誹諧初学抄(1641)初春)...