玉虫・吉丁虫(読み)たまむし

精選版 日本国語大辞典 「玉虫・吉丁虫」の意味・読み・例文・類語

たま‐むし【玉虫・吉丁虫】

〘名〙
① 「やまとたまむし(大和玉虫)」の異名。《季・夏》 〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
※五百句(1937)〈高浜虚子〉昭和九年「玉虫の光残して飛びにけり」
② タマムシ科に属する甲虫の総称成虫は生の葉を食べるものが多い。活発に飛翔する。ヤマトタマムシ・チビタマムシ・ナガタマムシなど。日本では約二〇〇種が知られる。〔日本昆虫学(1898)〕
※信長公記(1598)八「甘露寺中納言殿 かみ、色玉むし 同」
[補注](1)中国では「吉丁虫」と称され、「本草綱目」に、玉虫を身につけると恋が叶うという記述がある。
(2)日本では、古く吉祥の虫とされ、箪笥に入れておくと衣類が増えるという俗信もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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