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一定の独立性を国家から認められる団体のこと。ヨーロッパ近世国家では,村共同体,ギルドなどの職能団体,都市,州などの地域組織が社団とされ,一定の自由と特権を認められた。全国統一を志向した王政は,中世以来の自立組織を社団という中間団体に編成し,これを介することによって,初めて国土内の住民を統合することができた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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[社会構造]
家を起点とするアンシャン・レジーム社会は,さまざまな地縁的・職能的結合の網の目によって覆われていた。村落共同体や同職ギルドは,そのよく知られている例だが,これらの団体はそれぞれ法的地位を付与されて〈社団corps〉を形成する。このような多種多様な社団的結合に立脚しているところに,アンシャン・レジーム社会の特質があった。…
…なぜなら絶対王政のもとにおいては,直接生産者たる農民に対する領主の支配(領主制)が依然として維持され,その基礎の上に国王を頂点とする身分制的階層秩序が構築されていたのであり,その国家権力は,平等な基本的人権を認められた近代市民を基礎とするものではなかったからである。とくに絶対王政のもとでは,聖職者,貴族,平民といった旧来の身分制が維持されたのみならず,それぞれの身分の内部はさらに職能などによるいくつもの団体(社団)に細分され,それらの団体はさまざまな特権によって互いに区別されていた。国王は,それらの団体が特権をめぐって相互に対立・反目しているという状態を利用して王権を強化したのである。…
…権利を得たり義務を負担するのは,通常は人(自然人)である。しかし近代的取引社会においては,人の集団である団体(社団)や一定の目的のために捧げられた財産(財団)そのものが取引主体として現れ,これを権利・義務の帰属点として扱う必要性が生じてきた。 法人の性質については,これを法律によって特別に擬制された法的人格者と考える説を〈法人擬制説〉という。…
…プロイセンのそれのような,強力な絶対王政のもとでも,身分制社会はあくまで維持されており,ユンカーと呼ばれる地方貴族は,文字どおりの〈中間権力〉として,所領の農民に対する〈家産的裁判権〉を行使し,これを人的に支配していた。
[家と社団]
身分制社会における支配の組織的中核は〈家〉であった。アリストテレスが《政治学》で述べているように,古代ギリシアのポリスにおいては,〈市民〉としての自由人は,自己の〈家(オイコス)〉の内部では,父として子どもを,夫として妻を,主人として奴隷を支配していた。…
※「社団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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