権利能力(読み)けんりのうりょく

  • ドイツ
  • 権利能力 Rechtsfähigkeit

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

権利の主体となることのできる法律上の資格をいい,法的人格,法人格ともいう。権利能力を有するとしては,人 (自然人 ) と法人とがある。人にはかつては奴隷のように権利能力のない者があったが,近代法ではすべての人間出生とともにこれを認める (民法1条ノ3) 。権利能力の終期死亡である。また,法人は,社団または財団 (一定の目的のために捧げられた財産) に対して権利能力を付与されたものである (43条) 。

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百科事典マイペディアの解説

私法上,権利・義務の主体となり得る資格。権利能力を有するものは自然人と法人である。近代法は,国籍・階級・職業・年齢・性等による差別を設けず,すべての自然人に出生と同時に平等の権利能力を認める。→権利能力なき社団外国人
→関連項目死亡出生胎児特許法人格

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世界大百科事典 第2版の解説

権利をもつことのできる能力ないし適格性を意味する法律上の概念で,19世紀前半にドイツ普通法学によって構成された。人間は,出生から生物学的意味での死亡(失踪宣告による擬制死亡を含まず)に至るまで,性別,年齢,門地,個々の身体的・精神的能力等々の差異をいっさい問われることなしに,すべて,完全かつ平等の権利能力を認められる(ドイツ民法1条,日本民法1条ノ3)。そして,このことの実質的・社会的意義は,権利能力があってはじめて,すべての人間が〈人〉としての法律上の保護を完全かつ平等に受けうる,という点にある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

法律上、権利義務の主体となることのできる地位または資格。法的人格ともいう。近代法において権利能力を有するものは、自然人と法人である。まず自然人については、歴史的にはかならずしもすべての者が権利能力を有していたわけではなかった。たとえば、古代の大家族制度の下における奴隷は権利能力を有していなかったし、中世封建社会の農奴は限定された権利能力しか有していなかった。しかし、近代法の下では、すべての自然人が完全かつ平等な権利能力を有する(民法1条ノ3参照)。その始期は出生であり、終期は死亡である。次に、法人とは、自然人以外のもの(人の集団である社団または財産の集合体である財団)であって権利義務の主体となることのできるものである。近代法の成立期においては、個人主義的思想を背景として法人は最小限度にしか認められていなかったが、その後の資本主義経済の発達とともに、各種の団体が法人として認められるようになっている。なお、権利能力は行為能力と区別されなければならない。というのは、後者は、法律行為を自ら現実になしうる能力を意味するからである。

[淡路剛久]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 権利の主体となることができる法律上の資格、または地位。人および法人はすべて権利能力を有する。法的人格。〔現代文化百科事典(1937)〕

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