知恵蔵 「貸し渋り」の解説
貸し渋り
金融危機による不況が深刻化している2008年以降は、世界各国でクレジット・クランチ(金不信による「貸し渋り」「貸しはがし」)が拡大している。09年初頭に誕生した米・オバマ新政権は、景気回復を最優先課題に挙げ、就任早々「貸し渋り」防止に巨額の公的資金を充てる金融救済策を打ち出した。日本でも、再び「貸し渋り」による倒産が急増しており、09年3月に金融庁は企業への融資促進を目的にした「企業金融円滑化策」を発表。4~6月には、不当な「貸し渋り」を抑えようと、銀行への立ち入り検査を実施する。対象となるのは、メガバンク(9行)と「貸し渋り」の苦情が多い地銀を含めた計30行程度の予定。なお、これに先立つ08年末、政府は「改正金融機能強化法」を制定し、金融機関向けの12兆円もの公的資金を準備した。だが申請したのは3行のみで、その額も計1210億円程度にとどまっている(09年3月時点)。
(大迫秀樹 フリー編集者 / 2009年)
貸し渋り
(本庄真 大和総研監査役 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報