長物(読み)ながもの

精選版 日本国語大辞典 「長物」の意味・読み・例文・類語

なが‐もの【長物】

〘名〙 (長い物、細長い形のものの意)
長持②をいうか。〔随筆安斎随筆(1783頃)〕
④ 蛇(へび)を忌んでいう語。また、大蛇は酒を大量に飲むといわれることから、大酒飲みをいう。
※俳諧・口真似草(1656)一「春霞引やながもの龍田山〈以専〉」
浄瑠璃・源頼家源実朝鎌倉三代記(1781)三「御辞義なしにと樽のはた、ぐるりと巻し長物共、鏡打引救ひ皆息なしの一刻呑」
⑤ 刀。また、普通より長い刀。
真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝一四「長物(ナガモノ)を抜いて新五郎度胸をすゑ、小窓から物干へ這出して来ます」

ちょう‐ぶつ チャウ‥【長物】

〘名〙
① 長さの長い物。
② 長すぎて用をなさないもの。むだなもの。よけいなもの。「無用の長物」
※三体詩幻雲抄(1527)「只あるものとては雞犬や図画書籍やなんど取りあつめて小船一艘に載ほどならではないぞ其の余の長物は一もないぞ」 〔晉書‐王恭伝〕

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デジタル大辞泉 「長物」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐ぶつ〔チヤウ‐〕【長物】

長さの長いもの。
長すぎて役に立たないもの。転じて、むだなもの。よけいなもの。「無用の長物
「丸で下町質屋か何かを連想させる此―と」〈漱石明暗
[類語]粗品安物見切り品廃品廃物ぽんこつ傷物裾物払い物死物

なが‐もの【長物】

長具足長道具)のこと。

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普及版 字通 「長物」の読み・字形・画数・意味

【長物】ちよう(ちやう)ぶつ

余分。〔晋書、王恭伝〕(王忱)恭の坐する六尺(てん)を見、~其の餘りと謂(おも)ひて、因りて之れを求む。恭輒(すなは)ち以てる。上に坐す。忱(しん)聞きて大いにく。恭曰く、吾(われ)生長物無しと。

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