カール[大帝](読み)カール

百科事典マイペディア 「カール[大帝]」の意味・わかりやすい解説

カール[大帝]【カール】

フランク王国国王(在位768年―814年),西ローマ皇帝(在位800年―814年)。フランス名ではシャルルマーニュCharlemagne。父王ピピン3世の後を弟カールマンKarlmann〔751?-771〕と共同で継承,771年単独の王となる。774年教皇の要請でランゴバルドを征服。以後バイエルン,ザクセン併合,東方のアバール人を撃破イベリア半島にも出兵するなど,エルベ川からピレネー山脈北海から地中海に及ぶ大帝国を樹立した。800年教皇レオ3世から西ローマ帝国帝冠を受け,812年ビザンティン帝国もカールを皇帝と承認した。地方行政官の伯(ラテン語でコメスcomes,ドイツ語でグラーフGraf)や巡察使の制度で統治機構を強化する一方で学芸を奨励し,アーヘン宮廷を中心にカロリング・ルネサンスを招来した。《ローランの歌》をはじめ武勲詩は彼を中世君主の典型とみなしている。
→関連項目アインハルトアバールアーヘンアーヘン大聖堂アルクインエグバートカロリング朝サン・サバン聖堂ハールーン・アッラシードフランスミュスタイアルートウィヒ[1世]

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