ペルー北海岸モチェ川流域、現トルヒーヨ市西郊にある大都市の遺跡。12~15世紀に栄えたチムー王国の首都であったといわれる。その面積は15平方キロメートル前後と考えられてきたが、1970年代初めに行われたハーバード大学の調査では、24.5平方キロメートルという数値が出ている。その中心部は、型入れアドベ(日干し)れんがを材料とする高い壁を巡らした10個の長方形大区画よりなり、その内部には、大小の部屋、広場、基壇、墓などがある。壁面には、様式化された魚、鳥の模様や幾何学文が浮彫りにされている。大区画の西には住居地区が無秩序に広がっており、その中間に区画、基壇、通路などが散在する。中心部を除いて、保存状態はよくない。
[増田義郎]
1986年、古代都市の遺跡がユネスコ(国連教育科学文化機関)により「チャンチャン遺跡地帯」として世界遺産の文化遺産(世界文化遺産)に登録され、同時に危機遺産リストにも登録された。
[編集部 2018年5月21日]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…ペルー北部海岸の都市トルヒーヨの近郊にあるチャンチャンChan Chanを中心とする文化。インカ帝国に征服される(1400年代)直前には北はトゥンベスから,南は現在のリマの付近まで,約1200kmにおよぶ海岸地帯を支配し,ランバイェケ谷,パカスマヨ谷などに複数の地方政治センターをもち,南は文化の違うチャンカイをも含む広大な版図をもつチムーChimú王国を形成していたといわれる。…
※「チャンチャン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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