動力計(読み)ドウリョクケイ(英語表記)dynamometer

翻訳|dynamometer

デジタル大辞泉 「動力計」の意味・読み・例文・類語

どうりょく‐けい【動力計】

蒸気機関内燃機関水車などの出力圧縮機ポンプなどの消費動力を測定する装置ダイナモメーター

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精選版 日本国語大辞典 「動力計」の意味・読み・例文・類語

どうりょく‐けい【動力計】

〘名〙 原動機の出力動力もしくは伝動軸を介して伝達される動力の大きさを測定する装置。ダイナモメーター。〔日本家庭大百科事彙(1927‐31)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「動力計」の意味・わかりやすい解説

動力計 (どうりょくけい)
dynamometer

ダイナモメーターともいう。内燃機関などのエンジンや圧縮機,ポンプなどの作業機械において,発生または吸収する動力を計測する装置。これらの機械の工率は,動力計でトルクを,回転計で回転数を求めて算出されるが,一般にはトルクを測る計器を工率計または動力計と同義語に用いることが多い。動力計には,吸収動力計伝達動力計などがある。吸収形のものでは,水動力計渦電流型動力計がある。水動力計は一様に水が満たされたチャンバーの中で主軸を取り巻いて設けられた羽根と,これと対向して主軸に取り付けられた回転羽根とで構成されている。試験するエンジンなどを主軸に連絡し回転すると,対向した羽根の間で渦流が起こり制動作用をする。制動エネルギーは熱に変換し,循環している水に伝わり捨てられる。一定回転しているときの動力計が受ける反作用のトルクは,チャンバー内の水の量により決まるので,一定範囲のトルクとなるように水位を調整する。反作用トルクを,回転羽根の外回りにあるトルク検出部により計測する。渦電流型動力計は,励磁コイルを外周上に配置した磁場の中で,歯車状のローターが回転すると,歯のピッチごとに磁束が変化し,固定されている外側部分のステーターに渦電流を生ずる。この結果,ローターとステーターの間にフレミングの法則による力が生じ,制動力となる。内部の発熱は,冷却水により冷却される。このときの励磁コイル側が受ける反力を力検出機構によって計測するものである。伝達動力計は,原動機とその動力を吸収する作業機との中間の伝動系にかかる回転モーメントを,例えば伝動転のねじり変位,伝動歯車箱にかかる反力,伝動ベルトの張力などから測るものである。ねじり変位から測るものをねじり動力計あるいはトルクメーターといい,伝動軸のねじれによる弾性変位,磁気ひずみ,圧電効果などを利用して測る。
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百科事典マイペディア 「動力計」の意味・わかりやすい解説

動力計【どうりょくけい】

ダイナモメーターとも。原動機や作業機で,発生または吸収する動力を測定する装置。回転軸のトルクを求め,別に測った回転数の積として動力を算出する。原動機から取り出した動力を摩擦抵抗で消費して測定する方式(吸収動力計。たとえば水動力計),動力が作業部分に伝達される途中で,消費することなく測定する方式(伝達動力計。たとえばねじり動力計),原動機のフレームに作用する反動モーメントを測る方式(反動動力計)などがある。
→関連項目動力測定

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「動力計」の意味・わかりやすい解説

動力計
どうりょくけい
dynamometer

蒸気機関,内燃機関,水車などの原動機の発生動力,および圧縮機,ポンプなどの作業機械の消費動力を測定する装置。測定原理により,次の2つに大別される。 (1) 吸収動力計 原動機の動力を制動して熱または電気に変え,その際の回転モーメントを直接測定して動力を求めるもので,固体摩擦動力計 (例:ブローニ動力計) ,水動力計 (例:ユンカース水動力計) ,空気動力計 (例:ルナール空気動力計) ,電気動力計,歯車ポンプ動力計などがある。 (2) 伝達動力計 動力が伝えられる途中で間接的に回転モーメントを測定して動力を求めるもので,使用中の回転モーメントが測定できる。ねじり動力計 (例:アムスラねじり動力計) ,歯車動力計,ベルト動力計などがある。

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