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フレミング Fleming, Sir Alexander

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フレミング
Fleming, Sir Alexander

[生]1881.8.6. エアシャーロックフィールド
[没]1955.3.11. ロンドン
イギリスの細菌学者。最初の抗生物質であるペニシリンの発見で,その実用化に成功した E.チェーン,H.フローリーとともに 1945年のノーベル生理学・医学賞を受けた。ロンドン大学などで医学を学び,セントメアリー病院医学校でヒトの組織を侵さないで抗菌性をもつ物質を研究。 22年に唾液などに含まれる抗菌性物質のリゾチームを発見した。さらに 28年にインフルエンザの研究中,ブドウ球菌の培養皿に偶然落ちたカビが,その周囲だけ菌の発育を押えているのを発見,このカビの培養液を 800倍に薄めても,ブドウ球菌の発育を妨げた。これに彼はペニシリンと名づけて 29年に発表した。

フレミング
Fleming, Sir (John) Ambrose

[生]1849.11.29. ランカシャーランカスター
[没]1945.4.8. デボンシャー,シドマス
イギリスの物理学者,電気技術者。ロンドン大学を卒業後,ケンブリッジ大学で J.マクスウェルのもとで研究。 1881年ロンドンのエジソン電灯会社顧問として電信技術の発展に貢献。 85年ロンドン大学教授となり,同年電磁現象におけるフレミングの法則を発見。マルコーニ社の技術顧問として,無線受信機改良のために二極真空管を発明 (1904) 。測光の研究やテレビジョンの開発も手がけた。 1929年ナイトの称号を与えられた。

フレミング
Fleming, Klaus Eriksson

[生]1535
[没]1597
スウェーデンの軍人,将軍。スウェーデン=ポーランド王ジギスムント3世 (ジグムント3世ワーザ ) とその叔父カルル (のちのスウェーデン王カルル9世 ) の対立においてジギスムントを支持。信任を受けてフィンランド総督となり,フィンランド人の自治権を奪い,フィンランド農民の蜂起 (1596~97) を弾圧した。

フレミング
Fleming, Paul

[生]1609.10.5. ハルテンシュタイン
[没]1640.4.2. ハンブルク
ドイツの詩人。バロック時代の最もすぐれた抒情詩人。ライプチヒで医学を学び,ロシア,ペルシアへの遠征隊に参加。ペトラルカ風のラテン語詩から出発。詩の形態に関しては M.オーピッツに学んでいるが,内容的には独自の言葉で人生と愛とをうたい上げている。ソネット,世俗詩,宗教詩,即興詩を書き,詩集に『ドイツ語詩集』 Teutsche Poemata (1642) など。

フレミング
Fleming, Sandford

[生]1827.1.7. スコットランドカーコルディ
[没]1915.7.22. ノバスコシア,ハリファックス
カナダの鉄道技師。 1845年にカナダに移住し,まずノーザン鉄道会社に職を得,次いでインターコロニアル鉄道の建設にたずさわった。 71年カナダ太平洋鉄道の主任測量技師に任じられ,ロッキー山脈を貫徹する経路の有効性を示した。 80年引退後は数々の科学研究に従事。また熱心なイギリス帝国主義者として 87年および 94年のイギリス植民地会議には,カナダを代表して出席した。

フレミング
Flemming, Walther

[生]1843.4.21. メクレンブルク,シュウェリン郊外
[没]1905.8.4. キール
ドイツの細胞学者,解剖学者。テュービンゲン,ベルリン,ロストクで医学を学び,普仏戦争に軍医として従軍ののち,プラハ大学 (1873) ,キール大学 (76~1901) の解剖学教授。合成染料を使って細胞の微細構造を染め,油浸レンズで見るという研究方法を開発,細胞学の実験技術に画期的な前進をもたらした。 1879年に,動物細胞の中に染料をよく吸収する物質が分布しているのを発見し,chromatin (染色質 ) と名づけた。さらに,細胞分裂のさまざまな段階にある細胞についてその染色質を観察し,分裂開始とともに染色質は何本かの短い棒状の構造となり,次にそれらがそれぞれ縦に2つに割れて,細胞の両端に移動することを明らかにした。染色質に起るこの一連の現象を mitosis (有糸分裂 ) と命名。これらの成果をもとにして,『細胞物質・核・細胞分裂』 Zell-substanz,Kern und Zelltheilung (1882) を著わした。このなかで,染色質は遺伝物質から成っており,有糸分裂は遺伝物質を配分する機構であると推定して,後年,再発見されるメンデルの法則に細胞学的な裏づけを与えることになる。

フレミング
Fleming, Victor

[生]1883.2.23. カリフォルニア,パサディナ
[没]1949.1.6. アリゾナ,コットンウッド近郊
アメリカ合衆国の映画監督。1930年代のハリウッドで最も活躍した監督の一人。プロデューサーのデービッド・オリバー・セルズニックのもと,『風と共に去りぬ』Gone with the Wind(1939)を完成させ,アカデミー賞の作品賞と監督賞を獲得した。1910年にカー・スタントマンとして映画界に入り,デービッド・ウォーク・グリフィス監督の現場で撮影を担当。第1次世界大戦では撮影部として従軍し,パリ講和会議でウッドロー・ウィルソン大統領のカメラマンを務めた。のちにメトロ=ゴールドウィン=メイヤー MGMや 20世紀フォックスと契約し,クラーク・ゲーブルやスペンサー・トレーシーをスターにして高い評価を得る。初監督作品は,ダグラス・フェアバンクスが主演した 1919年の『暗雲晴れて』When the Clouds Roll By。トーキー映画初期の『紅塵』Red Dust(1932)や『宝島』Treasure Island(1934)は人気となり,ジュディ・ガーランドを起用した傑作『オズの魔法使』The Wizard of Oz(1939)ではファンタジーとリアリズムを巧みに融合させた。ほかに『ジキル博士とハイド氏』Dr. Jekyll and Mr. Hyde(1941),『冒険』Adventure(1946),『ジャンヌ・ダーク』Joan of Arc(1948)などがある。

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デジタル大辞泉の解説

フレミング(Ian Fleming)

[1908~1964]英国の小説家。英国諜報部員ジェームズ=ボンド主人公にしたスパイ小説「007」シリーズで、世界的な人気を博した。他の著作童話「チキチキバンバン」など。

フレミング(Alexander Fleming)

[1881~1955]英国の細菌学者。リゾチームを発見。ぶどう球菌の研究中、アオカビからペニシリンを発見し、1945年、ノーベル生理学医学賞を受賞。

フレミング(John Ambrose Fleming)

[1849~1945]英国の電気工学者。フレミングの法則を発見し、二極真空管を発明するなど、電磁気学電子工学に貢献。

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百科事典マイペディアの解説

フレミング

英国の細菌学者。ロンドンのセント・メアリー病院ワクチン研究所で,オプソニン説で知られるJ.H.ライトの助手となり,1922年にリゾチームを発見。1928年からロンドン大学教授を兼任

フレミング

英国の推理作家。英国秘密諜報部員007ことジェームズ・ボンドを主人公とするスパイ小説のシリーズで有名。荒唐無稽な道具立て,派手なセックスや,アクションの描写を特徴とする。
→関連項目コネリー

フレミング

英国の物理学者,電気工学者。1885年―1926年ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ教授,かたわらエジソン電灯会社その他種々の会社の顧問を務めた。エジソン効果の研究から,1904年二極真空管を発明,電話,電灯,無線技術に多くの業績をあげた。
→関連項目真空管デ・フォレスト

フレミング

ドイツのバロック時代の代表的抒情詩人。オーピッツ弟子。1634年―1639年ロシアとペルシアへ旅行。自然,生命,愛の力強い肯定と同時に彼岸永遠性を認める諦観特色とする。

フレミング

ドイツの細胞学者。プラハおよびキール大学教授。細胞の固定・染色法を改良,有糸分裂(細胞分裂)の際の染色体縦裂などを観察し,細胞遺伝学の基礎をつくる。また,原形質の繊維構造説を唱えた。

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世界大百科事典 第2版の解説

フレミング【Alexander Fleming】

1881‐1955
イギリスの細菌学者。スコットランドのロッホフィールドに生まれ,1897年にリージェント工芸学校卒業後,商船会社に4年間勤めた。1901年,ロンドン大学のセント・メアリーズ病院医学校に入学,卒業後引き続いて同校のライトAlmorth E.Wright(1861‐1947)の研究室で細菌学を専攻した。第1次大戦の勃発とともに陸軍軍医団に加わり,フランスの野戦病院に派遣されたが,18年再び母校に戻り,29年に細菌学教授となった。

フレミング【Ian Fleming】

1908‐64
イギリスの小説家。ロイター通信社モスクワ特派員を務めた後,第2次世界大戦中は海軍秘密情報部に勤務。戦後はその体験を生かして,イギリス秘密情報部のスパイ〈007(ダブルオーセブン)〉ことジェームズ・ボンドを主人公とした,《カジノ・ロワイヤル》(1953)をはじめとする14冊のアクション小説を次々に発表した。フレミングにとっては文学的野心よりも,金もうけが執筆の動機であり,超人的な能力を備えた主人公が,ほとんど非人間的なまでに残忍,凶悪な異国悪漢死闘を繰り広げ,ついに勝利をおさめるという単純な筋立ての物語だが,いずれもベストセラーとなって,世界的人気を博した。

フレミング【John Ambrose Fleming】

1849‐1945
イギリスの電気工学者。1877年にケンブリッジ大学に入学,J.C.マクスウェルの指導のもとにキャベンディシュ研究所で標準電気抵抗の研究を行った。85年にロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの電気工学の教授となり,以後41年間この職にあった。一方,1882年からロンドンのエジソン電灯会社などの技術コンサルタントを務め,アメリカにエジソンを訪ねた後,89年にエジソン効果(熱電子放出現象)の研究を行った。

フレミング【Paul Fleming】

1609‐40
ドイツ・バロック時代の抒情詩人。詩学の最大の理論家オーピッツの愛弟子であるが,師の冷徹な思索性を超克し,個人的感情と体験を民話調で吐露しながら,敬虔な生命,愛の喜び,自然の豊かさ,祖国の平和をうたい上げた。この早世した詩人の詩作にはペトラルカ風のラテン詩も多いが,彼は〈ソネットの名匠〉ともいわれ,そのいくつかは現在でも時代の隔りを感じさせないものがある。【島田 勝】

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大辞林 第三版の解説

フレミング【Fleming】

〔Alexander F.〕 (1881~1955) イギリスの微生物学者。1928年アオカビからペニシリンを発見。抗生物質による治療に道を開いた。
〔John Ambrose F.〕 (1849~1945) イギリスの電気工学者。電磁気学を研究、フレミングの法則を発見。また、二極真空管を発明するなど、電気通信技術に多くの業績を残す。

フレミング【Walther Flemming】

1843~1905) ドイツの解剖学者・細胞学者。細胞の核分裂を研究、細胞の固定、染色法を開拓して染色体の縦裂を確認。原形質の繊維構造説を提唱した。著「細胞物質・核・細胞分裂」など。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内のフレミングの言及

【化学療法】より

…まもなく,このプロントジルの有効成分は体内で分解されて生ずるスルファニルアミドであることがわかり,以後今日まで,その誘導体は数千種以上も合成され,そのうちサルファ剤の総称で各種細菌性疾患の治療に用いられてきたものも多数に及ぶ。このドーマクの発見に先だつ1929年,イギリスのA.フレミングは,たまたま寒天培地上の黄色ブドウ球菌の集落が,その周辺にできたアオカビの集落によって溶けることを観察し,アオカビの培養濾液の中に各種細菌の発育を阻止する物質(ペニシリン)のあることを報告した。10年後,この報告から出発してイギリスのチェーンErnst B.Chain(1906‐79)とフローリーHoward W.Florey(1898‐1968)は,ペニシリンの再検討と実用化にのり出し,さらにアメリカの協力を得て工業生産にも成功した(1941)。…

【抗生物質】より

…日本では,これに〈抗生物質〉という語をあてている。1929年のA.フレミングによるペニシリンの発見,38年から41年にかけてのH.W.フローリーらによる〈ペニシリンの再発見〉以降,新しい抗生物質の探索が世界的に始まった。したがって,抗生物質という言葉も物質も比較的新しいものである。…

【ジェームズ・ボンド】より

…イギリスの作家I.フレミング作《カジノ・ロアイヤル》(1953)から《オクトパシー》(1966)までの小説の主人公として登場する,イギリス情報部のスパイ007。美男子で超人的能力の持主で,しかもイギリス紳士の典型のような彼は,世界をまたにかけて活躍し,多くの女性たちを魅了する。…

【電波】より

…この研究はのちの1905年の日本海海戦の信濃丸の通報に大いに役だっている。 他方,1904年には,イギリスのJ.A.フレミングにより二極真空管が,06年にはアメリカのL.デ・フォレストにより三極真空管が発明され,これらの電子デバイスの発明に助けられて,無線通信は急速に発展していった。 電波は通信に利用されただけではない。…

【フレミングの法則】より

…後者については右手が用いられ(右手の法則という),磁場の方向に人差指を向け,導線の運動の向きに親指を向けると,中指の方向に電流が流れるような誘導起電力を生ずる(図)。いずれの法則もJ.A.フレミングによって明らかにされたものであるが,最近では電流のまわりに生ずる磁場の向きが,右ねじの法則(磁場の向きは,電流の方向に右ねじを進めるとき,その右ねじの回転する方向になる)に従うことだけを基本にして,次のように記憶することがふつうになっている。すなわち,電流が磁場から受ける力は,電流によって生ずる磁場が外部磁場と平行な側から反平行な側へ向かう方向である。…

※「フレミング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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